常識から自由になれる! プラスの循環を生むライフスタイルの作り方って?
わたしたちが暮らす現代社会は、今大転換期を迎えています。新しい価値観を持った、ライフスタイルとはどのようなものか。日米のベンチャー企業への投資事業を行い、東京とハワイに拠点を構え、デュアルライフを送る筆者が、「制約にしばられない生き方とはなにか?」についてお話します。
01.
時間・場所・人間関係…
7つの制約をなくす
もし、今のあなたの生活に何の制約もなければ、どんなライフスタイルを送っていると思いますか。多くの人は「制約のある生活を送っていると思っていない」と答えるでしょう。でも、たとえば、「30歳までには結婚しなくちゃ」「社会人になったら(いやだけど)スーツを着て満員電車に乗るのはしょうがない」と思ったことはありませんか?
こうした「思い込み」こそがわたしたちをしばる「制約」なのです。
制約とは「時間・場所・人間関係・お金・働き方・服装・思考」の7つ。これらの制約が全部ないことを前提にして、好きな場所で好きな時間に好きな服装で、人間関係にもわずらわされることなく働くためにはどういう仕事や働き方をすべきなのか。これを想像することがハッピーなライフスタイルへの近道です。
わたしは大学を卒業して就職したとき、「電車に乗らない人生を送れるようになりたい」と考えました。最初からこの制約を外すことは無理だったので、まずは満員電車に乗らないように、早起きして通勤のピークの時間帯を避けることからスタート。一方、将来的に電車に乗らない生き方をするためにはどうすればいいかも考えました。家でもできる仕事に転職すべきか、そのためにはどのようなスキルを身につける必要があるのか。
ひとつずつ制約を外して考えていくと、今の自分に必要なことは何か、が自然とみえてくるのです。
02.
○○は禁止、○○しなさい
「外部からの負荷」を避ける
制約されて生きるとはどういうことでしょうか。それは他人が決めた常識に乗せられているということです。会社員であれば、副業が禁止されている、社内での自分の席が決められている、休みの日が決められている、などです。
そもそもわたしたちは仕事をしていると、なぜストレスや疲労がたまると感じるのでしょうか。
その原因のひとつに「外部からの負荷」をかけられていることが挙げられます。「外部からの負荷」とは、自分がやりたくないことを他人から強制されて、やらされることです。たとえば子どもの頃、親から「勉強しなさい」と言われると、やる気がなくなるというのは誰でも経験があるのではないでしょうか。
一方で、外部からの負荷がない状態というのは、自由です。すべてを自主的に行えます。自主的にやるので、ストレスを感じることなく楽しくできる。楽しいからこそ、さらに打ち込むこともできて成果も上がる、という正の循環でまわっていきます。
03.
「軍隊型」「リクルート型」…
4つの働き方から
自分に合うタイプを選ぶ
あなたが会社員だとして、どうしたらしばられない生き方ができるのでしょうか。負荷のかかり方と仕事に取り組む本人の気持ちによって、働き方は4つのタイプにわけることができます。
1つ目は、「軍隊型」。外部からスケジュールを決められており、命令に逆らうと罰則が与えられるため、やっていてつらい。自分で考える力が失われていきます。
2つ目は、「リクルート型」。外部から制約をかけられてはいるけれど、働いている本人は楽しんでやっている。リクルートのような会社はこのタイプです。
3つ目は、「しばられない生き方」。内部から負荷をかけ、本人も楽しい。成果の上がりやすいこのタイプに、パタゴニアやシリコンバレーの会社が挙げられます。ただし、「しばられない生き方」は外部からの負担がまったくかからないので、やり方を間違えると堕落してしまうリスクがあります。
それが4つ目の、「ミスマッチ型」。制約のない状況に「向いていない」人がここに分類されます。こういう人はある程度レールを敷いたほうがうまくいきます。
「外部から」の負荷とは、「明日ミーティングがあるから、朝7時に会議室にくるように」というように強制的に他人から押し付けられる負荷のこと。「内部から」の負荷とは、「明日ミーティングがあるから企画書を作っておこう」というように自分の意志でかける負荷のことです。
人が成長するためには、外部からでも内部からでも、制約なくしてありえません。もし、自分が内部からの負担だけでは堕落しそうならば、「リクルート型」を目指したほうがいいかもしれません。自分のタイプに合わせた生き方をしましょう。
04.
「時間の制約が強い」
「会社の都合で転勤が多い」
といった職場はNG
しばられない生き方をするには会社選びが重要になってきます。なるべく避けたほうがよいのは、「時間の制約が強い」職場と「会社の都合で転勤の多い」職場です。
まずは「時間の制約が強い」ショップの販売員やパイロットから考えていきましょう。効率的に少ない労力で多くの成果を上げようとしても、あまりにも制約の多い仕事をしていれば、段階を踏んで制約をなくしていくという準備にかける時間さえなくなってしまいます。
次に「会社の都合で転勤が多い」銀行や証券会社といった仕事について考えてみましょう。新しい仕事を覚え、人脈を築いても転勤でまたイチからやり直さなければならず、これを繰り返すと会社の仕事以外のことを考えられなくなってしまいます。
もちろん、これらの条件がないほうが準備しやすいというだけで、制約のない生き方をまったくできないわけではありません。
それでは、しばられない生き方をより実現しやすい仕事はどんな種類のものでしょうか。それは、結果さえ出せれば自由に働くことができる職場です。オフィスに毎日出勤する必要がなく、時間の制約もなく、副業もOKという会社は外資系のIT企業などに多くみられます。
05.
将来的に制約を受けないために
目標やプランをつくる
しばられない生き方をするためには、いまの自分に足りないことは何かに気がつくことが重要です。そして、それを克服するための目標とプラン作りなど、準備することが大切なのです。目標やプラン作りなんて、それこそしばられる生き方ではないか。そんな声が聞こえてきそうです。
ところが、これはまったく逆で目標やプランがあるからこそ、将来的に制約を受けなくて済む生活を手に入れることができるのです。
目標やプランがなければ、どこに向かってゴールしていいかわかりません。それなしに「何にもしばられず生きるんだ」といって会社を辞めてしまったり、努力を放棄したら、自堕落な生活しか待っていません。
さらに付け加えると、事前準備をすることは、辛く苦しいことではありません。この準備は自分のためにしているからです。自発的な「内部からの負荷」であれば、自分でコントロールすることもできるし、やる気も湧いてきます。
人が生きる上では、どうしても何らかの制約は受けざるを得ません。そのときに、自由でストレスのかからない制約とは「内部からの負荷」なのです。
『7つの制約にしばられない生き方』
コンテンツ提供元:本田直之