新時代を賢く生き抜くために、身に付けるべき「5つのチカラ」
わたしたちが暮らす現代社会は、今大転換期を迎えています。そんな新しい価値観の時代の、新しいライフスタイルとはどのようなものか。日米のベンチャー企業への投資事業を行い、東京とハワイに拠点を構え、デュアルライフを送る筆者が、「制約にしばられない生き方とはなにか?」について紹介します。
01.
他人を巻き込み自分を律する
「タイムマネジメント力」
会社員時代のわたしは、夜7時以降に働いたことがほとんどありませんでした。疲れから集中力も落ち、良い仕事はできないことがわかっていたからです。では、どうしてそんなことが可能だったのでしょうか。それは時間管理を徹底したからです。どれだけ長く机に向かうかということよりも、本人がやりやすい環境や時間帯で仕事をした方が良い結果が出ることがあるのです。
それでは、タイムマネジメント力はどうすれば身につけられるのでしょうか。
①「締め切りをつくる」
実際の締め切りとは別に、自分の中で締め切りを作り、その中で終わらせようとするというものです。それだけでは負荷が弱いので、わたしは「人に会う」という設定を付け加えました。他者を巻き込むことでさらに緊張感を持って仕事に取り組むことができます。
②「時間割をつくる」
学校の時間割のように、スケジュールを埋めていく方法です。たとえば火曜と木曜の朝は8時から仲間とトレーニングというように。仕事や遊び、ランチやディナー、読書の時間まで細かく時間割を作るのです。自分で作った時間割は外部から強制的に作られたものと違い、心地よいものなのです。
02.
仕事を頼みたいと思わせる
「パーソナルブランド力」
「営業=売り込み」だと考えている人は案外多いのではないでしょうか。本来の営業力とは、「うちの商品を買ってください」と自分から売り込みにいくことではなく、相手に選んでもらうようにするのです。
売り込みをせずにお客さんが向こうから来るようにするには、自分のパーソナルブランド力をつけることが大切です。その第一歩としては、他の誰でもなくあなたに仕事を頼みたいと思われることです。そのために何をすればいいか。それは、スキルを磨きつつ、世の中に知ってもらう作業を続けることです。
わたしの知り合いに日本でトップ5に入るほどの人気の美容整形クリニックを開業している医者がいます。なぜお客さんが集まるかというと、売り込みをまったくせず、患者さんが知りたいと思う情報だけをWEBサイトに載せていたからです。たとえば、脂肪吸引とはどういうものか、リスクはどうか。さらに、患者さんからの相談を受け、回答をネット上に載せることで情報を充実させることで信頼を得ています。
世の中に自分のことを知ってもらうには、売り込みではなく情報やノウハウを提供することが大事なのです。
03.
働く場所の制約から解放!
「モバイルIT力」
集中できる場所や、アイディアが湧きやすい場所は、人によって、またはその日の気分によって、いろいろ変わるものです。つまり場所にしばられないで仕事をする方が、仕事がはかどるのではと思います。
場所にしばられない自由な働き方を今はノマドワークと言います。「ノマド」は「遊牧民」という意味で、定位置を決めずに自由に移動しながら仕事をするワークスタイルです。このスタイルは、どんな場所でもインターネットに接続さえできれば仕事の環境を瞬時に再現できます。会議はスカイプのチャット、ひとりの作業はクラウド上でできます。
もしあなたが、働く場所にしばられたくないと本気で考えるならば、ITを使いこなすスキルや、そのために必要なものに投資すべきです。ITのスキルは一度身につけてしまえば、一生もののストック型のスキルです。常に進化し続けるものなので、最新の情報はたえずアップデートしていく必要がありますが、逆に言えばこれをちゃんとやれば、人と差をつけられるということなのです。
04.
発想の転換がすぐにできる
「流される力=ドリフト力」
IT化やグローバル化が進むと同時に、終身雇用が保障されない不確実な世の中となった今、さらなる激動の時代に突入していくことでしょう。
このような環境の変化に柔軟に対応していくには、時には流されることも必要になってきました。これをドリフト力といいます。そう聞くと自分の軸がない人をイメージするかもしれませんが、むしろ逆で、不確実な世の中にあっても自分の軸となるものがあるから流されても大丈夫なのです。
かつてわたしはCPAの資格を取得して、海外で働くことを目指していましたが、自分には向いていないことを自覚。そのとき躊躇せずすぐに方向転換したことで、今度はインターネットに興味を持つように。もしそのとき柔軟な発想がなかったら、大きなチャンスを逃したでしょう。
わたしたちは自分のやりたいことや、進むべき道をすべて把握できているわけではありません。したがって、自分の可能性を信じて、さまざまなことに挑戦することも必要なのです。
05.
会社の仕組みを自分でつくる
「生き残れる力」
「独立するのがいいか、それとも会社員がいいか?」について、学生によく質問されます。
自分がどういうタイプの人間かわからずに行動すると、成果が上がらなかったり、ストレスをため込むことに。誰かが教えてくれるものではありませんが、独立するのが向いているかを見極める方法はあります。
ひとつは、ビジネスを始めて3年くらい稼げなくてもいいと思える「覚悟」を持てるかどうか。自分でビジネスをするとき、思い通りにならないことが多々起こります。それに耐える覚悟が必要になります。
次に、資金がゼロになったときやトラブルに巻き込まれたとき、「精神的に参らずに生き残れる能力」があるかどうか。会社を上場したとき、インターネットの掲示板で否定的なコメントを目にして参ってしまうなら、独立はしないほうがいいでしょう。
さらに、「会社の仕組みを自分でつくれる人」が独立に向いています。仕組みとは、起業から実務に至るまでのビジネスのノウハウなどのこと。独立するにしても、会社員でいるにしても、自分を知ることは大事なことです。
『7つの制約にしばられない生き方』
コンテンツ提供元:本田直之