タトゥーでタトゥーを消すという発想。シンガポール発、大胆すぎる「ブラックアウト」
一見すると、指先まで袖のある黒いドレスを着ているようにしか思えないこの写真。ところが、彼女がまとっているのはドレスではなく、黒一色ベタ塗りのタトゥーなんです。信じられる?
洋服を着ているような
真っ黒ベタ塗りタトゥー
言うまでもなく、これはペインティングではなく皮膚に直接彫り込んだ本物のそれ。シンガポールのタトゥーアーティストChester Lee氏による「Blackout(ブラックアウト)」が、いま世界中のタトゥーユーザーから注目を集めています。
さらに、ただベタ塗りをしている訳ではありません。一様に美しくデザインされたものなのですが、私たちのよく知るカラフルなデザインや文字をあしらったものとはまったく異なる意匠、ですよね?
じゃあ、ポイントやアクセントとしてのデザインとは一線を画す、このビジュアルインパクト大なブラックアウトが新たなタトゥーのトレンドになるのかと言えば、どうやらそういう訳でもないようです。
目的は、タトゥーでタトゥーを隠すこと
じつは、この黒ベタ。オシャレ目的のほかに、もうひとつ大事な役割があるんだとか。
上の写真の女性の肩口から背中にかけて、よく見れば、タトゥーの上からブラックアウトを新たに施しているのが分かりますか?そう、これまで身に着けてきたデザインに飽きてしまったり、やむを得ない理由でそれを消したい人たちが、タトゥーを見えなく(ブラックアウト)させることが真の目的なんです。
高額なレーザー処置でタトゥーを消すのではなく、それを覆い隠すために真っ黒にしてしまうとは。タトゥーをカルチャーやおしゃれと受け止めるには、いまだ寛容とは言い切れない日本人からしてみれば、この大胆すぎる発想に付いて行くのがやっとだったり?