重さわずか1.2kg!世界初のマグネシウム加工技術が生んだ「超軽量チェア」
ハイテクスニーカーやアウトドアギアによく使われる表現に「ウルトラライト」がありますが、ここで紹介する椅子がまさにそれ。だって1.2kgって言ったら、牛乳パックひとつとちょっとですよ。
空気みたいに「軽い」椅子
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/26587/bd0f24c002ed49a3dacc351b9e7c1a4133b45154.jpg)
小学校の教室にありそうなかわいらしいデザインのこちらの椅子。素材は実用金属の中で最も軽量なマグネシウム。ただ軽いだけでなく、放熱性や電波遮蔽性にも長けていて、近年、家電やノートパソコンに採用されるなど注目が高まる金属です。さらに、リサイクルしやすく、人体や環境にもやさしい特性もイマドキ。
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/26613/99399bf119091ac6f10e941b32484ee78ab8b106.jpg)
一方で、マグネシウムはこれまで素材の特性から、アルミニウムなどに比べ「常温での加工が難しい」とされてきました。この定説に挑戦し続け、マグネシウムの“冷間引抜”加工を世界で初めて実現させた企業が、富士山の麓にあります。それが「株式会社 マクルウ」、マグネシウム合金の加工に特化したものづくりベンチャー企業です。
子どもが軽々と運べる!
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/26588/f87416eacf78616b62e41d47dc01e434672a4564.jpg)
マグネシウムチューブ製ファーニチャーブランド「Mt(マウント)」より、こちらは全5色展開の子ども用の椅子「Mt002」。この素材の特性を活かした椅子を考えた時、「最初に頭に浮かんだのが子どもが重たそうに椅子を持ち上げるイメージだった」と語るのは、マクルウの安倍信貴さん。
子どもが一人でも楽ラク動かせ、持ち運べる椅子とテーブル(同シリーズ「Mt004」)の開発にデザイナーとエンジニアが参画しました。多くのプロダクトデザインを手掛ける「Yu Ito Desing」の伊藤祐氏、そしてマグネシウムの曲げ加工から溶接までこなしてしまうものづくりのプロ遠藤敦氏。こうして、世界で初となるマグネシウム製の超軽量チェアが誕生しました。
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/26591/c4ba4d85e623fc8295e005ddb059548cdc444e78.jpg)
椅子に合わせたキッズテーブルは、重さ2.85kg(W640 x D500 x H565 mm)。椅子はもちろん、これならテーブルだって積み重ねてもOK。
ちなみに値段は、「Mt002」が38,000円(税抜)、「Mt004」は35,000円(税抜)。Mtのサイトからオンラインで購入が可能。
デザイン家具だけでなく福祉機器、自動車部品にも。
拡がるマグネシウムの利便性
拡がるマグネシウムの利便性
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/26593/da8e281d697a0c8303b7cb201d3c6f53fc39e719.jpg)
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/27769/cee0b503fbbeb88b102c57c7e1662f9a5d9f43dd.png)
![](https://d3jks39y9qw246.cloudfront.net/medium/26608/1f2952fe2753867506097bdbdeaf25f1c2ed7d85.png)
軽量という特性を活かしたマクルウのマグネシウム加工技術は、すでに福祉機器にも応用されています。使用時の負荷を軽減する杖、車いす、さらには盲導犬のハーネス素材などにも。
デザイン家具と福祉用具に加え、自動車部品への開発にも意欲的な同社。マグネシウムの利便性が技術開発によって、今後もさらに加速していくことは間違いありません。やっぱり、日本の技術力ってスゴい!