論語に学ぶ!「競争社会」を生き抜く上で覚えておきたい5つのこと

受験やビジネスシーンにおいても、現代社会で「競争」を避けることはほぼできません。中には、勝つことに執着し、不正や他者を蹴落とすなどの行き過ぎた行動を起こす人もいるでしょう。でもじつは、戦うべきは他者でなく「自分自身」なのです。

では、競争社会とどう向き合うべきなのか。東洋思想研究者である田口佳史さんの著書『論語の一言』を見てみましょう。

01.
世間を恨まず
「自分」
を高める

貧にして怨むこと無きは難く、富みて驕ること無きは易し。

(ひんにしてうらむことなきはかたく、とみておごることなきはやすし。)

【意味】貧しい暮らしをしていると、どうしても世の中を恨みたくなり、その気持ちを抑えることは難しい。しかし、裕福になったときに放漫にならないよう努めることは、比較的たやすい。

孔子はもともと社会の底辺とも言えるほど低い身分でした。そのことを嘆いたこともあったのでしょう。しかし彼は、過去のつらい経験を忘れることなく、あらゆる仕事に取り組んだ結果、多能多芸だと世に認められました。どんなに富を得ても、謙虚さを持ち続けることが大切なのです。

02.
「自省」が
成長につながる

位無きことを患へずして、立つ所以を患へよ。

(くらゐなきことをうれへずして、立つゆゑんをうれへよ。)

【意味】なかなか地位が得られないことを嘆いてはいけない。そのための実力がまだ自分にはないことを反省しなさい。

思うように結果が出ない、自分に対する評価が低い…そんな不満をグチるだけでは、現状を変えることなどできません。大切なのは、自分の実力がまだ追いついていないことを自覚し、反省すること。そうすることで自らを磨き上げ、唯一無二の存在になるでしょう。

03.
真の実力とは
「人間通」であること

未だ人に事ふること能はず、焉んぞ能く鬼に事へん

(いまだひとにつかふることあたはず、いづくんぞよくきにつかへん)

【意味】まだ人に仕えることをわかっていないのだから、神のことなどわからない
※ここでいう「鬼」は「鬼神」のこと

どれだけ立派な能力を持っていても、「人間」を知らなければ、その関係性でつまづいてしまいます。人間社会をうまく生きるために、自分の行動を相手がどう受け止めるのか、想像する力を養う必要があります。孔子は、その思想から自分に関わるすべての人を教師とし、言動に磨きをかけました。「人間通」であるか否かに、実力が問われるのです。

04.
「慢心」しては
いけない

驕且つ吝ならしめば、其の餘は觀るに足らざるのみ。

(けうかつりんならしめば、そのよはみるにたらざるのみ)

【意味】もし傲慢で、自分の労や才能、情などを出し惜しみするような人間であれば、称賛するに値しない。

「驕」は傲慢、「吝」は自分の有するものを他者に与えるのを惜しむこと。どんなに優秀で才能ある人でも、周囲の人々を小馬鹿にし、情をかけないようでは評価されません。人の気持ちを汲み取り、世の中のために力を尽くせるか。それこそが人間の価値を決める分岐点になるのではないでしょうか。

05.
優れていれば
「争い」はない

君子は爭ふ所無し。

(くんしはあらそふところなし)

【意味】誰も争いたいとは思わない。それが立派な人間というものだ。

この言葉は「君子は争わない」という意味ではなく、「争うところがない」ということ。自らと向き合い、唯一無二となった人間ほど強いものはいないのです。誰よりも突出していれば、相手が争い自体を放棄するでしょう。

『論語の一言』 著:田口 佳史

人間の本質を記した『論語』こそ、さまざまな不安や悩みを抱えた現代人が「ぶれない自分」をつくるための最良のテキスト。2000社の企業改革を指導し、多くの社会人教育を実践してきた東洋思想研究者である著者が、論語の「一言(いちげん)」をわかりやすく講義。

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