海の生き物たちが「プラスチックごみを食べてしまう理由」が判明

水質汚染、温暖化によるサンゴの白化、海洋ごみと、海をとりまく環境問題は、どれもとっても深刻な状況です。そのひとつ、毎年800万トン近くが海へと流れ出ているという「プラスチックごみ」、海の生き物たちが誤って食べてしまい、深刻な被害をもたらしています。この問題に対し、研究者より新たな事実が明かされました。

誤飲の原因は、見た目よりも
「におい」に問題あり

プラスチック かもめ 

Animals Eat Ocean Plastic Because it Smells Like Food

これは先日、「ナショナルジオグラフィック」電子版に掲載された記事のタイトル。意訳すれば、(プラスチックごみを食べてしまう理由は、食べ物のにおいがするから)といったところでしょう。

海で生活するあらゆる生き物たちが餌とごみの区別がつかずに、間違えてプラスチックを飲み込んでしまう。誤飲、誤食をくり返すことで、胃などの消化器にごみがたまり続け、やがては餌が食べられずに死んでしまいます。

原因はプラスチックごみの見た目にある。これまで研究者たちが指摘してきた理由です。たとえば、ウミガメがビニールを誤飲してしまうのは、クラゲが浮遊する姿に似ているから、といったように。

ところが、米国科学振興協会のオープンアクセス誌「Science Advances」に発表された研究者たちの調査によると、誤飲の原因は見た目ではなく、そのにおいにあるんだそう。

死に至らしめる
危険な“トラップ”

海洋汚染 プラスチック

おもに海中の藻類は、オキアミの餌となり、これを小魚や海鳥たちが食べるというのが海の生態系。この藻類から発せられる独特な匂いがあるそうです。ジメチルスルフィド(DMS)と呼ばれるこのにおいを頼りに、小魚や海鳥たちが集まってくるというわけ。

ところが、この藻類が繁殖するエリアに集まってくるのは、海鳥や小魚ばかりではありません。海をただようプラスチックごみです。

藻類はこのごみに付着しさらに繁殖。ところが、藻類が死滅した後もDMSのにおいだけは、ごみに付着したままとなる。つまりは、小魚も海鳥も、この“においのトラップ”に引っかかってしまい、漂流するごみを餌と間違って口にしてしまう。これが研究者たちが導き出した答えです。

 

2050年には、
魚とごみの数が逆転!?

海の中の重量だけで比較した場合、このままでは2050年には魚よりもごみの量が上回ってしまうとの予測もあります。

でも、世界経済フォーラムが算出したこの数字には、海の生き物たちの誤飲問題は入っていないことを思うと、いっそう危機感だけが増していくように思えませんか?

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