京都の料亭がつくる「ちりめん」のお菓子

台北で茶商をいとなむ十年来の友人夫婦がいる。何度もお互いに行き来し、趣味嗜好もだいたいは把握している仲。なので台湾を訪れるときは、決まって彼らのサロンから。一服の中国茶のおもてなしを受けると、心の距離もとたんに縮まる。

そんな彼らに喜んでもらおうと、毎度頭をひねるのが「手みやげ」だ。ところが研究熱心な彼らは、日本各地のお茶どころをたずねたり、茶道の源流をたどる旅を通して、日本の味覚にも造詣が深い。こちらは、毎回いただく中国茶に合うような“お茶請け”を見つくろって、なんて考えるものだから、さらに自分の首がしまってくる。

でも、これはいいものを見つけた。創業安政三年(1856年)下鴨茶寮の「ちりめんナッツ」

京都の料亭がつくる
プリミティブなお茶請け

文字にして説明するよりも、写真を見たほうがイメージはつきやすい。このお菓子はナッツとドライフルーツにちりめんじゃこ、さらに山椒を加えて飴で固め、1粒ずつていねいに手で丸めたもの。おこしのそれに近い。

クルミ、アーモンド、カシューナッツ、パンプキンシード、ブルーベリー、クコの実、ちりめんじゃこ、山椒を1粒ずつていねいに手作業で丸めていく。

美容や健康に意識が高い人でなくても、栄養豊富なナッツやドライフルーツを間食に選ぶ人は多い。では、ちりめんナッツがそうしたダイエット系のお菓子かといえばさにあらず。

京都土産の定番ちりめん(もちろん下鴨茶寮で製造)や粉山椒をまぶしてあるため、過度に甘すぎず、奥行きある中国茶の香りを消してしまうこともない。口元に近づければ、涼しげな山椒の香りがし、噛めば小気味よく砕けていく食感がたまらない。

また、「和・洋のあらゆる主役に合わせられるお菓子」の言葉通り、ビールやスパークリングワイン、または食前酒のお供にアペタイザーにしても悪くない。

料亭の「ちりめんナッツ」5個入り(1,080円・税込)、8個入り(1,620円・税込)なら、手みやげとしてもちょうどいい価格帯ではないだろうか。下鴨茶寮オンラインショップはこちらへ。

Licensed material used with permission by 下鴨茶寮
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