間違いなく最高傑作です。来年絶交です。電気グルーヴです。

お話の相手。

日本を代表するテクノDJ/プロデューサーのTakkyu Ishinoこと石野卓球と、俳優やタレント業でもお馴染みピエール瀧。高校生の頃に出会ったのち、89年に電気グルーヴを結成したふたりは、今年で御年50歳!その発言、行動、パフォーマンスなどなどは、破天荒のひと言。国内外のコアな音楽ファンにも愛され続けています。

そんな彼らの創作意欲は、16歳のときに出会って以来ピークを迎えているのだそう。最高傑作として3月1日に発売された4年ぶりのフルアルバム『TROPICAL LOVE』は、一体どのようにして生み出されたのでしょうか。そして、これから始まるツアーはどうなっちゃうの!?

「レコーディングを始める前は、お互いのグルーヴや体温を感じて知るために、ふたりで音楽的なことや最近どうだっていう話をするんです。お互いがどんなモードなのかを向かい合って確認し合う。ほら、仏のような状態なのか、はたまたマウンティングを取っているのかっていう(笑)」。

 「合宿って言うほどでもないですけどね。今回はそんなに期間も空いてなかったし、ぜんぶすんなりいきましたよ」。
「むかしゲームをやってる時に、瀧がそこ上、そこ右、そこ開けて、ってぜんぶ誘導してきてたんです。じつはそれに腹が立ってたんだけど、言えなかったんだよね、みたいな話から始まりました」。

 「大昔の話ですよ(笑)」。

「それから、とっかかりになる歌詞とかを書いて並べていく。そうすると、次第に意味が繋がってきたり、これってこういうことを言わんとしているのではないかっていうのが出てくるでしょう。それを探っていくと、味の濃い言葉が出てきて、組み合わせれば情景描写も見えてくる。必ず口に出してみて、気持ちいいかどうかみたいなのを直したり。順番を変えたり。これは一番最初だと濃すぎるとか」。

──アイデアをバーっと出しながら再構築していくんですね。

「たまたま合宿のときにGarageBandしかなかったから、今回の曲作りは部屋でテレビ見ながらやっていることもありました。エディットとか、着信音作ったりとか、そういうときにしか使ったことがなかったんだけど、ちゃんと触ってみようと思ったんです。そうしたら、パズルみたいに作れて、嬉しい誤算もあって、楽しかったんですよ」。

※GarageBandは、Apple社製の音楽制作アプリ

「制作中は、あんまり考えてなかったし、期間も一ヶ月と短かくて。途中で立ち止まって確認し合ったりすることもなく、振り返ったらもうできてたんですよね」。

「慣れというか、基礎体力。ライターさんも毎日書いてないと書けなくなるでしょ。そういうもの。レコーディングは気がついたら終わってました。楽曲制作で息詰まったことは一度もないです。寝ててもできるし。夢かなーって思ってても作業は進んでて、次の日になるとできてる。とくにこのアルバムは全部すんなりいきました。やったことと言えば、長過ぎる曲をどう削ろうかっていうことくらい」。

「『柿の木坂』は、はじめ13分くらいあって、10分超えると意味が出ちゃうよねっ、て話をしたりしていました」。

※『柿の木坂』はアルバム『TROPICAL LOVE』の収録曲

──意味は排除していく?

「ぜんぶ意図してつくるのは難しいですよ」。

「うちらも昔はそうだったけどね。主張してた」。

「攻撃的だったよね。でも、いつも喧嘩腰で居なきゃいけないのはキツい。やっぱ海外で活動が始まってから変わりましたかね。そんなことをしてもこっちの望むお客さんは寄ってこないし、その場に攻撃したいものはないし、皆で楽しくやりましょうよっていう」。

「パフォーマンスもそう。お客さんにどうやったら楽しんでもらえるかをリアルタイムで判断していく」。

「ステージをフラフラしてるだけ(笑)。盛り上げる段取りはありますけどね。『富士山』なんかはそう」。

※『富士山』は、電気グルーヴの楽曲
ピエール瀧が富士山のコスプレをして会場を盛り上げる鉄板キラーチューン

「なんにも決めてないですよ。なるたけ身一つでできるものがいいですし。出しものを期待されてもね」。

「じゃないとエスカレートするでしょう?空飛んじゃったりさ。そういうのは、うちらのやることじゃない。こっち盛り上がってないなーとか、こっち盛り上がりすぎてるから落ち着かせようーとか、疲れさせないようにーとか、そういうのはありますけど、ビジュアルとか何の思い入れもない(笑)。だからと言って、ホラどうぞーみたいな感じではないですよ?あのー、たまにしかやらないから、自分たちでもまだ飽きてないんですよ」。

──3月12日からツアーが始まります。今回の特徴を教えてください。

「いつもと同じです。瀧が棒状のものを持つかもしれません。音が出ないモノ。こん棒みたいなのでいいんだよね。あとはトマホークとか。ステージで持ってたらアガらない?ゴルフクラブとかラクロスとかでもいいんだけど。あ、もちろん本物じゃないですよ。危ないじゃないですか!だからゴムとかね。“瀧、トマホークで怪我!”みたいになったらおもしろいけど(笑)」。

「銃刀法違反!なんつって(笑)」。

「バドミントンのラケットとか、でっかい軍配とかいいよね」。

「探せばあるだろうけどね。え、自宅に?持ってないですよ!」。

──仲がいいですよね。プライベートでも一緒に過ごすんですか?

「プライベートと仕事の境がないですからね。よく飲みには行きます。ただし記憶力はないもんだから、いつも同じことを話してます。再放送なんですよ。で、言ってることがちょっとずつ違ってきて、だんだん事実がねじ曲がってくる」。

「ふたりできらいな人のランキングをつくったりしてますよ。これは、歩み寄ろうとしてるんだよね。あ、ここがきらいなんだって改めて分かる。再確認するみたいな」。

「厳しい高校に入ったので、そこでかなり歪みましたね。スパルタだったんですよ。スパルタンX高校っていうところで、名前にXが入る学校はなかなかありません」。
「スコアボードにスパルタンXって高校名が書いてあったらすげーポップ(笑)。強そうだよね」。

「うちらは妄想話を発展させていくのが好きなんです。『人間大統領』というコミカルなキャラクターがどんどん後半になるに連れて独裁政権になっていく。それがこう、いかにグラデーションしていくのかみたいな。楽園を与えてくれるはずだったのに、ずっと監視していただなんて…っていう」。

※『人間大統領』は、アルバム『TROPICAL LOVE』の収録曲

「こんなんだから、あんまり人は誘いません。その人が気を使っちゃう」。

「誰かをターゲットにして呼ぶときはあるけどね(笑)」。
「呼んでもこないですよ。だって、イヤでしょ(笑)。一緒にいきましょーか?」。

「絶対きらいになりますよ(笑)トラの赤ちゃんと一緒で、じゃれていると傷だらけになっちゃって」。

「じゃれているようで、じつはプロファイリングの最中だったりしてね」。

「こいつ食べれんのかな?みたいなね(笑)」。

──電気グルーヴはパフォーマンスアートだ、という声もあります。

「自分たちではわからないですよね。いろんな側面があるし、言ってしまうと固まってしまうし」。

「他と比べると振り幅が広く見えるかもしれないけど、ふつうにしてるだけですよ。自然体」。

「合宿の時は、ふたりして裸で向かい合って話してたんですけど。まあ、暑かっただけです。風呂入ったし、このままでいいかって。最初からやるかー!っていって脱ぎはしませんから。瀧は風呂をいれてくれました」。
「風呂くらいいれますよ」。

──意味がなくていいし、考えなくてもいい。だけど、ふと気づくと妄想がどんどん広がっていく。電気グルーヴの活動には、そういう自由さを感じますよね。今年で50歳を迎えることになるふたりは、これからどうなっていくと思いますか?

「50歳ってすぐですよ。56歳くらいまで生きれればいいなあ」。

「カウントダウンですね。考えてもしょうがないっていう」。 

「仲良くいる秘訣は、お互いとりあうフィールドを持たないこと」。
 
「好きな音楽の趣味も大して変わってないしね。16歳からの付き合いですから」。

「来年絶交です(笑)」。

──ツアーは見逃せませんね。ありがとうございました!

Top Photo by Ayumi Shikata(Rooster)
Licensed material used with permission by Ki/oon Music

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