日本人だけが知らない「プライバシー」3,000年の歴史
プライバシー。それはこの情報化社会を生き抜く上で、避けては通れない概念。しかし実はあまり知らない、という人も多いのではないでしょうか。とくに日本は、西洋に比べてプライバシーの意識が曖昧と言われることもあります。
そこで、意外に知らなかったプライバシーの歴史について紹介しているこの動画を見てみましょう。
「プライバシー」の
歴史
そもそも、いつから「プライバシー」という概念ができたのでしょう。そのきっかけは、なんと「煙突」でした。
①「煙突」とプライバシーの登場
かつての人類は、光と暖を求めて、暖炉の周りに集まるしかありませんでした。当然、壁もなく、プライバシーはありません。
しかし画期的な発明が、状況を一変させます。それが「煙突」。これによって壁を使って空間を隔てることができるようになり、他の部屋からは中が見えない、という状態が生まれます。
「プライバシー」の誕生です。
②「写真」技術とゴシップ
次に大きな変化を引き起こした技術は「写真」でした。それまで外に出ることがなかった上流階級の密会が、写真に撮られることによって、ゴシップとして世の中に出回るようになったのです。
撮られた側はこれに対抗するために、撮影されない権利を訴えます。「プライバシーの権利」はこうして生まれました。
③「インターネット」の普及
そして現代。皆さんお馴染みのインターネットによって、プライバシーに新たな変化が起きています。しかしその対策は、まだ十分とは言えません。
ハッキングと
コンピュータウイルス
1900年代、まだモールス信号が主流だった頃からハッカーは存在しましたが、最初の本格的なハッキングは1973年。対象となったのは電話回線で、無料で国際電話をかけられるよう、操られてしまいました。
1981年には、アメリカで初めてハッカーが逮捕。これにより、電話回線システムに「穴」があることが世間に知れ渡りました。
1980年代には、黎明期のインターネットをウイルスが襲います。
2000年には「LOVELETTER」と呼ばれるウィルスが大流行しました。名前の通り「このラブレターを読んでね」というメールで、ファイルを開くと感染してしまうというもの。これは世界のコンピュータの10%を感染させたと言われるほどの勢いで拡散し、被害総額は9億ドル(約1,000億円)とも言われています。
そして今や「ギーク」と呼ばれるコンピュータオタクたちは、政府や金融機関に雇われるようになり、サイバー世界で攻撃と防御の両方に明け暮れているのです。
暗号の歴史
では最後に、プライバシーをハッキングから守るための「暗号」の歴史を見ていきましょう。
情報を守ることの重要性は、古代から注目されていました。紀元前1500年には、陶芸家が秘伝の釉薬のレシピを敵に奪われないようにするために、暗号を使っていたという記録が残っています。
暗号が使われていたのは、軍事やビジネスにおいてだけではありません。
紀元前400年頃に出版されたインドの性典「カーマ・スートラ」(現存するものでは最古と言われている)の筆者は、恋人たちに、秘密の会話をするために暗号を使うことを勧めています。
現代においては、企業や政府に個人の情報を引き渡し、サービスを受ける機会も多くなってきました。
しかし、こうした情報が悪用される可能性も大いにあります。個人情報の管理には、もっと注意する必要があるかもしれませんね。