「街の人が本に触れる機会を作りたい」とある女性の挑戦
「学校も研究所もあるのに、本屋がないなんて」。ニューヨークの最北に位置するブロンクス。140万人が暮らすこの街には今、本屋がほとんどないそう。次々と大型書店が閉店したため、人々が本に触れる機会が激減しています。
生粋のブロンクスっ子であるノエル・サントスさんは、この危機に対して、自分で書店を立ち上げるしかない!と、プロジェクトをスタート。
ワインバーを併設
「コミュニティ」ができる空間
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普通の本屋を始めただけでは、経営を続けていくのは難しい。
そこでノエルさんは、一般的な書店ではなく、地域コミュニティの場となりえる書店「The Lit. Bar」を開こうとしています。
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彼女は、店舗にワインバーを併設し、コーヒーやお酒を飲みながらゆったりと読書できる空間を作っています。
人々が集い語らえる場所となることを目指していて、朗読会やワインテイスティングの会といったワークショップも積極的に開催する予定です。
また店頭に置く本は、多民族が混在するブロンクスのニーズに合わせた多言語の書籍を揃えたり、大型書店ではカバーできないインディーズや小さな出版社の本を集めて、差別化を図っています。
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ブロンクス最後の大型書店が撤退する話が出てから2年近く、ノエルさんは閉店の延期を求める活動と同時に、成功している個人経営の書店を研究しながら、経営プランを練ってきました。
そして2016年、ノエルさんはNYで行われた事業計画コンペティションに「The Lit. Bar」の企画を提出し、見事2位を獲得。賞金の7万5,000ドル(約800万円)は、事業資金の一部に充てられています。
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彼女の活動は様々なメディアに取り上げられ、INDIEGOGOで資金を募った際には、目標額の100万ドル(約1,100万円)に対して126%を達成。
「The Lit. Bar」は今までに何度か、試験的にイベントも開催しています。ブロンクスで、コミュニティも形成しうる「ハイブリッド書店」が本格開店する日も、近いようです。