「その手があったか!」沈みゆくベニスをビックリアートで表現
「ついに世紀末か」「巨人にやられてしまう」「助けてくれ」
そんな声が聞こえてきそうだけど、これは巨大なアートなのでご心配なく。作品があるのは、イタリアのベニス。街中に流れる運河からにょきっと姿を現した姿は、街の新名所となりつつあるようだ。
ビエンナーレのために
つくられた彫刻作品
この「巨大な白い手」を制作したのは、イタリアのアーティストLorenzo Quinn。手をモチーフとした彫刻作品を数多く手がけている。
その理由としては「愛する力、憎む力、創造する力、破壊する力。手には様々な力が宿っているからだ」という。ちなみに本作品は、ベネツィア・ビエンナーレ2017の記念碑的な役割を担っているのだとか。
裏に隠されたメッセージ
「水の都」「アドリア海の真珠」と形容されるベニスだが、地球温暖化の影響で深刻な状況にある。CNNによると、海面が年間で約2ミリのペースで上昇。加えて毎年約2ミリ地盤沈下しているという。
そのインパクトが話題を呼びがちだが、その裏には、沈みゆく風光明媚な都市を視覚的に表現することで世の中への警告メッセージとする意図もあるようだ。
つかみかかっているのは
ホテル
この建物は、Ca’ Sagredo Hotelというラグジュアリーホテル。
やはり気になるのは、右手近くにある部屋。何も知らないでチェックインして、ギャーなんていう宿泊客はさすがにいないと思うけど、部屋からの眺めは相当なインパクトがあるに違いない。個人的には、夜、月明かりを背景に窓から外を眺めてみたい。怪しいだろうなー。
Licensed material used with permission by Lorenzo Quinn