「ゴミ収集車」が自動運転になると、清掃員のシゴトはどう変わる?
実用化が進む自動運転は、自家用車に限った話ではありません。すでに欧州では専用レーンを自走するバスが人々の足となり、東京でも2020年五輪開催に合わせたテスト走行が行われています。
だけど、自家用や公共交通よりも、むしろニーズはこっちのほうが上かもしれない。だってゴミ収集車って、作業中でも運転手がひとりは乗ってなきゃいけない、そんなイメージがあったから。
作業員ひとりと収集車1両
都市環境にやさしいゴミ回収
ゴミ収集車への自動運転技術の応用は、すでにスウェーデンで始まっています。これは自動車メーカーVolvo(ボルボ)と、ゴミ回収業者Renovaによる共同プロジェクトを映像で紹介したもの。
あらかじめ順路をプログラム化しておくことで、障害物を避けながら各戸から出されるゴミを回収していく様子がうかがえます。
作業スタッフが車体後方にゴミ箱をセットすると、アームが持ち上げてゴミだけを回収。ここまでは欧米によく見られるスタイル。
でも、ここからです。
車体側面に設置された2つのボタンをポチると、スタッフは運転席へと向かうのではなく、そのまま車を置いて歩き出してしまいました。
ここが自動運転技術の真骨頂。車体四隅に取り付けられたセンサーが、しっかり障害物を避けながら、ゆっくり歩く速度でスタッフの後を追尾していきます。
交通量の多い幹線道路だったらこうはいかないでしょうけど、比較的車の少ない住宅エリアを回るゴミ収集車ならば、自動運転が生きそう。
ドキッとする場面でも
すばやくキケンを察知
閑静な住宅街だからこそのキケンだって……、ご覧のとおり。
思えば、安全運転支援システムのさきがけとなる、自動ブレーキシステム「シティ・セーフティ」を日本に持ち込んだのもボルボの車種。自動運転の実現に向けても、独自のロードマップを描いてきた同社が、自家用車だけでなく、都市環境をサポートするこうした業務量車両でも実用化を目指していることって、話題性としては小さくても意味は大きいんじゃないでしょうか。
試験走行は年内を通して行われ、徐々に公道に定着させていくプランだとか。現時点では、運行管理者が帯同する必要があるようですが、やがてはゴミ回収も全自動が最終ゴールなんだそうですよ。