「友だちだろ? 一緒にタバコ吸おうぜ」ピアプレッシャーから子どもを守る
「なぁ、俺たち友だちだろ? 友だちなら一緒にタバコ吸えよ」
なんだか、昔の記憶が蘇るようなこの言葉。この動画では「ピアプレッシャー」について親子で語っています。
あまり聞き慣れない言葉ですが、ピアプレッシャーとは、簡単に言うと友だちからお酒やタバコなど、イヤだなぁと思っていることを強要されること。
そんなときの断り方を、親子でロールプレイしているのです。
「断るのが、怖い」
「ピアプレッシャーって、知ってる?」
「ううん、聞いたことない」
「いい? これはとっても大事なことなの」
「今まで友だちから、何か悪いことやしたくないことを、無理矢理『しろ』って言われたことはない?」
「だって、友だちにカッコイイところ見せたいだろ?」
「うん、そうだね」
「しかも、周りにそういうことをするのを期待されるよね」
「ほら、吸ってみろよ」
ここから、ロールプレイが始まります。
「おい、一緒にタバコ吸おうぜ」
「…」
「なんだよ、怖いのか?」
リアルに演技をする両親。
「あなた、カワイイわね。このビール、すっごくおいしいのよ。一緒に飲みましょう」
「タバコ吸ったらすっげークールだと思うぜ。ほら、吸えよ」
「…いいわ」
こちらはナンパをするバージョン。あまりの押しの強さに、女の子は思わずOKをしてしまいました。
「わかった? 今のがピアプレッシャーよ。ピアプレッシャーがあなたに『OK』と言わせたの」
「その友だちは、刑務所にいる」
「パパやママもピアプレッシャーを受けたことあるの?」
「あるよ。友だちが高校生のときにお酒を飲んでいたんだ。そいつに勧められて、断れなくてお酒を飲んだ。でもまずくてすぐに吐き出したんだ。そのせいで、そいつはパパのことを嫌いになったみたいだよ。でもそいつは今、刑務所にいる」
「ドラッグを勧めてくる人もたくさんいるよ」
「パパは使ったことないよね?」
「いや…じつは断りきれなくて、やったことがある」
「本当の友だちって…?」
「友だちの誘いを断るのは、すごく難しいことよ。でも悪いことをさせようとするのは人は、本当の友だちじゃないの」
「それに、ピアプレッシャーを感じているのはあなただけじゃないかもしれない。周りにいる他の友だちも、本当はイヤだと思ってるかも」
「でも私がしちゃったら、その子たちもやらなきゃいけなくなるってこと?」
「そうよ」
近しい友だちから誘われると、なかなか断るのが難しい「ピアプレッシャー」。これを防ぐために一番大事なのは、親子でのコミュニケーションなのかもしれません。