ドッグフードを残し続けるのは、「相棒の死」を受け入れたくないから
ラブラドール・レトリバーは、数多い犬種の中でも知能が高い犬。人間が思っている以上に表情や言葉から状況を理解し、心にそっと寄りそってくれます。
アメリカ・アイダホ州で暮らすクッキーとスティッチは、いつも一緒に過ごしてきた姉妹。「どんなに歳をとっても、いつまでも私には子犬のように思えるよ」と語る、飼い主Dufurさんの言葉から伝わるように、家族の深い愛情の中で育ってきました。
上:スティッチ 下:クッキー
しかし年上だったスティッチは、つい先日、クッキーを残して先に天国へ行ってしまったのです。
よく遊んでいたおもちゃ、もう使うことのないリード、家の中は思い出が溢れすぎていたことでしょう。
ふたりはいつも、同じボウルに入れられたドッグフードを半分ずつ食べていましたが、これからは、ひとり分しかそこに入れられることはありません。Dufurさんはそれを寂しく思いながら、クッキーに差し出しました。
しばらくして様子を見に行くと、クッキーはひとり分になったドッグフードを、綺麗に半分残していたのです。
犬は「死」というものを、正確には理解できないと聞いたことがありますが、本当にそうでしょうか。きっと彼女は、少なくなったボウルの中身に気づいたはず。それでも半分残しているのは、悲しすぎる現実を受け止めきれずにいるからなのでしょうか。
いつも同時に食べていたからわからなかったけれど、本当はずっと年上のスティッチのために、少し多めに残していたのかもしれませんね。
「お前も悲しいんだよな、クッキー」。
自分と同じくらい、深い悲しみのなかにいることに気づいたDufurさんは、その日から毎晩一緒に眠ることにしたそうです。
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