「最期」を迎えた老犬が、どうしても飼い主に伝えたかったこと
もし僕が話せたら。
君に伝えたいんだ。
助けてくれて、ありがとう。
愛してくれて、ありがとう。
一緒に過ごした日々は全部、覚えているよ。
そんなフレーズからはじまるこのショートフィルムは、一匹の年老いた犬の回想です。
川に捨てられた僕を
拾ってくれてありがとう
川に捨てられた、生まれたばかりの子犬。その犬を助けた男性は、そのまま新しい飼い主になりました。
一緒に過ごしたこと
全部覚えているよ
そして長い年月が過ぎました。
飼い主が恋に落ち、プロポーズした時も。
子どもができて、成長していく時も。
ふたりはずっと一緒。
一緒にやったことは、全部覚えているよ。
犬はそう語ります。
回想は
意外な場所から
犬がこの回想をしているのは、動物病院に向かうクルマの中。
到着すると、ベッドの横で主治医が待っていました。
最後の別れを告げる飼い主。
病気になった犬は、もう苦しむことがないようにと、安楽死のために病院に来たのでした。
永遠の眠りについた相棒。
ずっと身につけていた首輪と大好きだったボール。ふたつを持って海を見つめる飼い主の姿で、フィルムは終わりを告げます。
実話を元にした
切なくもあたたかい物語
この映画を作ったのは、Shawn Wellingさん。実際に飼っていた犬との思い出を元に、物語を作ったと言います。
「生まれて初めて飼った犬は、ゴールデン・レトリーバーだった。彼との思い出が、この映画の元になっているんだ。
彼は僕が12歳のとき、ガンでこの世を去った。僕は、彼が苦しむのを見ていることしかできなかった。犬はとても無垢な存在だ。ときどき人間よりも人間らしいなと思うことがある。
彼らがいると、それまでとは全く違った人生になる。犬は僕たちのことをいつも見守ってくれているんだ。そのことを表現したくて、この映画を作ったんだよ」
日本では、まださまざまな意見があるペットの安楽死ですが、国によっては広く受け止められているところもあります。
ペットのほとんどは、人間よりも先に死を迎えます。どんな最期がいいのか…はっきりとした答えを出すことはできませんが、何より飼い主の愛情が大切だということは、この映画を通して強く伝わってきます。
40年後を映した第2弾「If I could bark」に続き、夏には第3弾の撮影も始めるんだそうです。