ロックバンドのドラマーがヒップホップにハマった理由は?
自宅のCDラックから音楽的ルーツやその人となりを探る連載企画「GOOD RACK!」。
7月19日に待望のニューアルバム『Memories to Go』をリリースするthe band apartのドラマー・木暮栄一さんのCDラック、そして前回に続く2枚目のリコメンド盤がこちら。
【Disc.2】SOUL SCREAM
THE DEEP
木暮:その昔、川崎のクラブ・チッタのイベントで見て好きになったSOUL SCREAM。
90年代を代表するヒップホップ・グループのひとつで、DJ 5lackやPUNPEEあたりの音が好きな人は好きかもしれないね。
あの頃って、ルーザー(負け犬)の文化を許容する経済的余裕みたいなものがまだ残ってたけど、大卒者の就職希望第1位が「公務員」な今、良くも悪くもみんなとりあえず安心していたいのかな。
しかしいつの時代だって若者のモラトリアムはあるはずで、20年前に一度日本語ラップ・ブームが来た時に「ハードコア界隈にいるけど音はメロー」な魅力で、立ち位置の難しかった文系B-BOYたちの心をがっちり掴んだ一枚。今でもDJの時にかけたりする、いろんな意味でバランスの良い名盤です。
話は違うけど、フリースタイル・ブームを始めとした昨今のヒップホップの盛り上がりが、個人的にとてもうれしい。