「皆勤賞」に疑問を投げかけた、とある母親の意見

三人の子どもの母親Rachelさん。彼女がFacebookに投稿した内容が、大きな話題を呼んでいます。すべては、次男に与えられた「皆勤賞」の受賞を断ったことにあり。

「休まず学校に行くこと」は、一般的には賞賛されるべきこと。しかし、その賞に対する評価のあり方を問う彼女の主張は、様々な議論を生んだのです。

拒否した理由は以下4つ。背景には、学校に行きたくても行けない長男の存在がありました。

01.
ただ運が良かっただけだから

子どもが何かを成し遂げたとき、頑張った証を与えて褒めてあげることはもちろん大切なことだと思いますし、我が家でも行っています。

しかし「学校に毎日通えるほど健康であったこと」は、別段賞賛されるものではないとも思います。彼が事故に遭ったり、大きな病気を患ったり、障害を抱えたりすることなく毎日健やかに過ごせたのは、彼の運が良かったからです。

02.
学校を休みがちな子どもを
悪者にしてしまうから

毎日元気に学校へ行くのが賞賛されるということは、やむを得ない理由でそれができない子どもを悪にしてしまう可能性があります。

皆勤賞は、学校に行きたくても行けない、病気や障害を抱えて生活する子どもに負のレッテルを貼ることにならないでしょうか。家族の訃報で学校を休んだ子どもに「学校を休むのは悪いことだ」と言うことと同じになりかねないでしょうか。

全ての子どもを平等に扱うために、皆勤賞はひとつの障害となるかもしれません。

03.
子どもが自分自身で
成し遂げたことではないから

私は、子ども本人が自分の力で成し遂げたわけではないことは、賞賛されるべきではないと考えています。学校に毎日出席することをコントロールしていたのは母親です。

受動的に学校へ向かわされていた子どもが褒められることに、違和感を覚えます。

04.
授業以外の学校行事を
休ませていたから

次男は授業を休んだことはありませんが、学期末のレクリエーションや映画鑑賞などの行事には参加していません。また、一週間早く長期休暇に入らせています。実際のところ、皆勤というわけではないのです。

では、なぜ休ませたのか。

理由は、長男が重度の障がいを抱えていることにあります。長男は生活をする上で常に介護が必要なので、次男が早めに休暇に入り、手伝いをしてくれるのは非常に助かることです。また、普段の生活ではどうしても長男につきっきりになってしまうため、なるべく長く次男とゆっくりふれあえる時間を持ちたいと思い、このような判断を下しました。

中には、彼女の意見に疑問を投げかける人もいましたが、Rachelさんはそうやって議論が生まれたことをポジティブに捉えているようです。

「多くの人がこの件に関して声を上げてくれて嬉しいです。どのような意見も大切に受け取ります。

この記事が多方面で取り上げられたことをきっかけに、教育機関には今一度皆勤賞のあり方について考えてみてほしいと思います。障害を持つ子どもの親として、成熟した議論が展開されることを願っています」

Licensed material used with permission by Rachel Wright
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