創業60年の名曲喫茶、店主のお気に入りは「シンフォニー6番」。
“オール・タイム・フェイバリット”なものを紹介していただく週替わり連載企画。今週は国分寺にある名曲喫茶「でんえん」、その御年90歳になる店主が登場。前回までのライフ・ストーリーに続いて、店主お気に入りの音楽を紹介していただきました。
昭和2年(1927年)7月24日生まれ。東京・国分寺にある名曲喫茶「でんえん」オーナー。
#FAVORITE.01
ベートーヴェン / 田園
新井富美子:主人がクラシックを好きだったので名曲喫茶をやってますけど、私自身はあんまり詳しくないんですよ。本当に(苦笑)。
これがいちばんっていうのは決められないですけど、いくつか好きな曲はありますけどね。たとえば、お店の名前になったベートーヴェンの「田園」。
新井:お店の名前は主人がつけたんですけど、このベートーヴェンのシンフォニー6番から取ったんですよね。きっと主人が好きな曲だったんでしょうね。
私も、聴くたびにいいなあと思いますね。とてもゆったりしてて。第3楽章なんか、とても良いですよね。すごく静かで、なんていうんですか、風景が連想できるようなところね。
ーーまさに田園風景が思い浮かぶような。
新井:そうそう。「運命」っていうのも、すごいでしょ?「ジャジャジャジャーン!」って(笑)。ベートーヴェンは、ああいうところがすごいですよね。
ベートーヴェンもいいけど、バッハとかモーツァルトとか、それぞれに良いですよね。だから、この人がいちばんっていうのは決められないですよ。うちのお客様の中ではモーツァルトをリクエストされる方が多いですけど。
音楽はどれもお客様のリクエストでかけているんですよ。そうじゃない時は、いらっしゃるお客様が「こういうの好きじゃないかな?」と思ってかけていますね。自分の趣味でかけてないんですね。やっぱりお客様によろこんでいただきたいですから。
タンゴとかワルツとかルンバとか、そういう音楽も聴きますよ。歌謡曲はあんまり好きじゃないけど、ビートルズは好きです。あと、アメリカのカントリーミュージックも好き。でも、うるさいのは嫌いです。しっとりした曲が好きですね。
(次回につづきます。前回はこちら)