“とっても入りやすい” 音楽バーは、阿佐ヶ谷にありました。
音楽、映画、文学など、誰にだって心のよりどころとしている作品があるはず。そんな“オール・タイム・フェイバリット”を探る週替り連載企画。今週はロック・バー「ジャニス」のマスターにお気に入りをきいてきました。「音楽バーの敷居をもっと低いものにしたい」というマスターの梅村さん、阿佐ヶ谷を訪れたときには、ぜひここ『ジャニス』に行ってみて。
東京・阿佐ヶ谷にあるロックカフェ・バー『ジャニス』のマスター。
お店のホームページで、不定期で “マスターの一言” を更新中。
話題は身近なできごとから時事ネタまで。ぜひご一読を。
古い曲でも
新鮮にきいてもらえる
阿佐ヶ谷駅北口をでて徒歩3分。商和会商店街のなかに『ジャニス』はあります。
梅村:お客さんは50代~60代くらいの方が多いかな。流しているのは古い曲がメインなので、来てくれた若い人も、初めてきくという方が多くて。新鮮味があると言ってくれます。
自分自身ではね、こういうお客さんに来てほしいっていうのは特になくて。年配の方も、若い方も、どんなひとでも、きっと知らなかった曲にであえると思うので、いろんな方に来ていただきたいですね。
——お客さんとは結構お話しされますか?
梅村:うん、話すよ。若いひとと話ができると勉強になるし、面白いよね。特に、わたしみたいなのは、社会との窓口がお客さんしかいないから。そのお客さんを通じていまの世の中をすこし知ることができたり。若いひとには、僕の経験が多少なりとも参考になればいいし。恋愛相談もありますよ(笑)。ちょっと最近の事情はわからないけど、こんな本を参考にしてみたらどう?とかね。若いひとと話すのは楽しいですよね。
お店に並んでいる本は、ミュージシャンの本からグルメ本、文藝春秋まで。
お店にかかせないスピーカーは、『バウアース&ウィルキンス』。
あたらしい音楽と
出会うことができる
それは、お客さんも僕もおなじ
——お店をやっていて、よかったことってどんなこと?
梅村:やっぱり、音楽が好きなひとと音楽の話をできるのも楽しいし。自分が古い音楽ばかりを鳴らしていると、若いひとが「こういうのもあるよ」って自分のCDを持ってきてくれたりね。それを話しながら一緒にきいたりして。
自分ひとりだと、アンテナを張れなくてわからないことって多いんだけど、そうして新しい音楽も古い音楽も、自分が知らなかった音楽とであうことができて、そういう瞬間はすごく嬉しいですよね。
——お店としては今後どのようになっていきたい?
梅村:べつに音楽にこだわらなくてもね、ひとつのコミュニケーションの場として浸透していったらいいなと思っています。こういう狭いお店だから、お客さんどうしもすぐに仲良くなったりするからね、面白いですよ。音楽好き、というひとじゃなくても、なにかしらの発見はあるんじゃないかな。
お客さんに楽しんでもらいたいな、と思うと同時に、結構好きなようにやっています。あんまり顧客志向なお店じゃないというかね、ちょっと生意気かな(笑)。気に入ってくれたひとが来てくれたらいいなって、思うんです。
「オリジナルのカクテル、『カクテルジャニス』はいちばんのおすすめ。ベースは『サザンカモート』っていう桃のリキュールで、ジャニス・ジョプリンがすごく好きなお酒だったんだよね。それに、ライムのシロップ。たったこれだけなんだけど、お酒はシンプルなほうが、やっぱり美味しいよね。さわやかで、飲みやすいよ。」
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