「去年と違う秋旅がしたい」そんなアナタに知ってほしい行き先はここ!
旅先を決めるのに、どうやって決め手を見つけますか?SNSで話題だから?フォトジェニックな写真が撮れそうだから?
そんな話題の場所もいいけれど、あえてひとと違うところへ行ってみる、という選択はどうでしょう。「なんでそんなところに?」と周囲が目を丸くするくらいが、実は一番面白い旅になるんじゃないかなと思うんです。
いまからあなたを誘うのは、出雲大社でも有名な島根県。あぁ縁結びね、なんて思わずに、知ってほしい魅力がたくさんあります。
湯巡りという圧倒的な贅沢
島根は実は温泉のまち。鉄道で気軽に行ける範囲では、松江駅から最も近く、宍道湖を借景にした『松江しんじ湖温泉』、温泉総選挙で最優秀賞を獲得した美肌の湯『玉造温泉』、そして世界遺産・石見銀の積出港『温泉津(ゆのつ)温泉』が名を連ねます。
実際に比べてみると分かるのが、それぞれまったく泉質が異なるということ。地元の人も、「比べてみてこそ趣深い」と語るほどです。1泊2日の旅で3つの温泉を味わい尽くす……なかなか出来る贅沢じゃありません。
そうそう、島根県はあのポーラが毎年発表している『美肌県グランプリ』で4年連続1位を獲得しているんですよ。気のおけないオンナ友達と、島根の美肌湯を思いっきり堪能したい!
世界遺産・石見銀山は
街ぜんぶを歩きまわってこそ
2007年、ユネスコ世界遺産に登録された『石見銀山(いわみぎんざん)』。島根の人ですら「地味なところだけど…」と謙遜するが、その歴史は世界の交易史を彩った華やかなものでした。
江戸時代前期ごろまでに栄えていた銀流通の要を担っていたこの場所。間歩(まぶ)と呼ばれる坑道は約700ヵ所。そのほとんどが森林を伐採せずに、狭い坑道を掘り進んで採掘できるようにつくられたものだそう。こうした環境への配慮、自然との調和が、世界遺産登録の大きな理由のひとつだといいます。
その調和は、今も当時の姿を残す『大森地区』の街並みにも現れています。江戸時代から続く、古くとも丁寧に手入れされた建物が並ぶさまは、別格の趣です。
さらにユニークだと思ったのは、このいわゆる「古い町並み」に、魅力的な商店が集まっているということ。
『群言堂』は、石見銀山が世界遺産になるずっと前から営まれていた、豊かな田舎の暮らしを発信するお店。オリジナルの洋服や生活雑貨をそろえ、地元食材を味わえるカフェもあります。ここで提案されているライフスタイルが、持続可能で心地よいものとして今まさに全国から注目を集めています。
ほかにも、ドイツで修行を積みマイスターとなった若いシェフが開いたドイツパンのお店『ベッカライ&コンディ トライ ヒダカ』も行っておきたい場所!
くるんとしたフォルムがなんとも愛らしい「ブレッツェル」は、一度は食したいこのお店の看板商品なんですって。観光客のみならず、地元のひとにも愛されていることが、実力の確かな証拠です。
最初に紹介した『温泉津温泉』も外せません。映画のセットかと思うほどレトロな看板と、ムードある洋館が目を引く『薬師湯』へ行ってみましょう。
季節や時間によって色が変わるという湯は、なんと山陰で唯一、日本温泉協会の天然温泉審査で最高評価の“オール5”を取得しているんです。温泉ソムリエ家元に「ダブル美肌の湯(※)」と評価されたしびれるように心地よい湯が、疲れをじわっと癒やしてくれるはずです。
人生で一度は訪れたい出雲大社
秋は絶好のチャンスです
「神在月」という言葉を聞いたことがありますか。一般には「神無月」と呼ばれる旧暦10月の頃、全国の八百万の神々が出雲の国に集まるとされている月のこと。たくさんの神事が執り行われ、出雲はいつも以上に神様のパワーで溢れると言われています。
多くのひとが「一度は訪れたい」と思うこの場所。早朝の参拝が、いつもと違う旅にはおすすめです。言葉を失うほど、神聖で清らかなときを感じることができます。
「ぜんざい」を語れる日本人
そんなに多くいません
さぁ、島根でちょっと違うグルメを楽しむなら、食べてほしいのが『出雲ぜんざい』です。また「地味!」なんて声が聞こえて来そうですが、決してそんなことはありません。
これまでほんとうのぜんざいを、食べたことはありますか?ワインの味やステーキの味わいを語れるひとは山ほどいれど、「ぜんざい」を語れるひとは多くいませんよね。知らなかった世界に、足を踏み入れてみませんか。
ここまで「ぜんざい」を推すのは他でもなく、出雲がぜんざいの発祥の地だから。由来は出雲地方の「神在祭」で振る舞われる「神在(じんざい)餅」からきているのですよ。
宍道湖の夕日が美しいのには
理由があります
この夕日の美しさは、もはや説明不要ですね。『宍道湖(しんじこ)』の夕日がここまでひとを惹きつけるのは、悠々とした湖に日が沈むから。湖面を鏡にして天と地が真っ赤に染まるひととき、自然と調和した島根の美しさに思いを馳せてからでも、帰りの便は間に合いますよ。