その体の痛み、見逃してはいけない「精神疾患のサイン」かも。
強迫性障害(OCD)と聞いて思い浮かべたのは、手を洗ったり入浴を繰り返すという行為。逆に言うと、それ以上はあまり知らなかったのが正直なところ。
けれど、Julia Guerraさんが「Elite Daily」にまとめたOCDの人たちの特徴を読んでからは、日常生活をよく見ると「自分ももしかしたら…」と気づけることが、たくさんあるのではないかと思った。
「OCDの人は鬱病を発症しやすくなる」と記事には書かれている。症状が出ていたにも関わらず、気づかないで放置してしまったなんてことにならないよう、確認してみよう。
01.
思考のコントロールが難しい
Center for Addiction and Mental Health(依存症とメンタルヘルスのためのセンター)は、何らかのかたちでOCDに悩んでいた20人を含む40人を対象に、脳内の仕組みを観察しました。
結果、障害があると臨床診断された人には、脳の特定の場所で炎症が起こっている可能性が32%高くなり、その後、強い衝動を抑えようとすると炎症はさらに悪化したそうです。
OCDは、どうしても完全にコントロールできないという面があります。Danielle Forshee医師は、OCDを「常に走る自転車」と表現しています。
彼女は以下のように話しました。
「(OCDに悩む人たちは)考える事をコントロールできず、また、どの程度頻繁に考えるべきかという事をコントロールできない面があります。OCDを患う人は、そんな考えを持ちたくなかったり、不快で怖くて、なぜそうなるのか理解できないのです。そして、その考えやイメージを無視しようとすると、衝動的、あるいは不安などを無くすため行動にでるしかないのだと考えるところがあります」
02.
1つのコトを
何度も繰り返してしまう
国際OCD財団では、よく見られる強迫観念として次のようなことを挙げています。
潔癖、コントロールを失う、暴力的な行為、意思に反する性的な考え、宗教的な心配(神様に対して失礼がないか常に気にしたり善悪への疑問であったり)、そして迷信など。
こういった強迫観念は、恐怖から生まれると言います。これは、アメリカのジャーナリスト、編集者、そしてJournaling Fame: A Memoir Of A Life Unhinged And On The Recordの著者であるAllison Kugel氏が言う、OCDになるそもそものキッカケです。
Kugel氏は次のように言います。
「恐怖を感じることは不快であるため、心がそれに対処しその感情を和らげる方法を模索します。そこで、カウンターリアクションやOCDがあるのです。「歩く時は壁を触る」「ドアのカギを5回確認する」「本の同じページを何度も読み直す」「繰り返し手を洗う」などです。行動パターンは人によって異なりますが、理由は同じです。不安(あるいは恐怖)を寄せつけないための方法です。不思議な考えで、こういった習慣を繰り返すことで、安全だと言い聞かせているのです」
03.
仕事中に何度も
余計なことを考える
OCDと共に生きている人にとって、朝準備をして家を出て、9時までに職場へ到着するというだけで大変なこと。
その上、100%コントロールできない不必要な考えが常に頭の中を行き来している状態です。その中で仕事の環境に馴染み、与えられた仕事に集中しなければいけないと想像してみてください。簡単ではありませんし、仕事にもマイナスの影響を与えてしまうかもしれません。
Ketamine Health Centersに勤める精神カウンセラー、May Nuñez氏によると、OCDを抱える人が会社で持つ悩みの例として以下のように話しています。
「悩みとして、就業開始20分前にデスクを整頓するというものもあります。OCDは、ある言葉や行動を繰り返すという事に限られたものではありません。強迫行動、動揺、過度の警戒、衝動、社会的孤立、強迫観念という症状もあるのです」
04.
身体的な痛みを感じる
OCDによる身体的な影響というのは、「強い衝動」だけではありません。
強い不安から起こる発作というのを経験したことがあるでしょうか。突然、激しい腹痛に襲われたり呼吸が苦しくなるなんてことが。もしあるなら、それは神経が体に影響をもたらしているということです。誰にでも起こりうることですが、OCDに悩んでいる人には特に起こりやすいのです。
「IntrusiveThoughts.org」の創設者であるAaron Harvey氏は、愛する人やあなた自身にOCDが与える影響というのは、理屈がない可能性もあると述べています。例えば、イメージしすぎて存在しない痛みを実際に感じることもあるというのです。それはまるで、剃刀がお腹の中にあるような感覚とも言えるということです。
05.
自分に自信がない
残念なことに、OCDと臨床的に診断された人は、同時に鬱病を発症する恐れが高くなります。
OCDに悩む人は、単純作業を終わらせたり、自分の考えをコントロールするのが困難なため、内面的な苦悩となっていきます。
自身の経験からHarvey氏が語るには、OCDは最終的に自身への信頼にまで影響しはじめたということです。結果、「20年間何もできない状態であることを学び、自分を嫌うという事を覚えました。表面上ではいろいろ達成しているように見えるかもしれませんが、自分は最低で特徴のない、迷える人間なのです」と説明しています。
「Very Well」では、もし鬱病と強迫性障害の両方に悩んでいるのなら、専門医に相談することはとても重要だとしています。鬱病の症状が、OCD治療のための心理療法の邪魔をしてしまうからです。
OCDというのは戦いです。そして、1人で立ち向かうべきではない戦いになります。日々悩まされている人を完璧に理解することはできなくても、リサーチをして対処できるよう手助けできるようにするというのは大切なことです。ひとりで暗闇の中を歩く必要のある人なんて、誰もいません。