メンタルヘルスの祖。精神的に不安定なときはエルモたちに頼ろう

今年1月、『セサミストリート』のエルモによる、こんなツイートが話題になった。

© elmo/X

「エルモは今から“チェックイン”するよ!みんなはどうしているかな?」

#Emotionalwellbeingと付けられたこの投稿は、Xだけで2億1700ビューを突破。「大人になることを焦るべきじゃなかった」「正直、ハグが必要」など、ファンからは自分の境遇を打ち明けるエモーショナルな反応が2万件以上寄せられた。

「すぐにみんなの様子を見に来るね!」
エルモがスタートした新たな取り組み

「わあ!エルモ、質問してよかった!友達に元気かどうか尋ねるのが、大事だってことがわかったよ。エルモ、またすぐに友達のみんなの様子を見に来るね!みんなのことが大好きだよ」

先の投稿にそう加えてから数カ月後、メンタルヘルス月間であった5月から、エルモによる新たな取り組みが始まった。

それは「Sesame Street Workshop」。セサミストリートのHPで、子どもたちとその家族がウェルビーイングについて学ぶための教材を無料で提供する試みだ。

© Sesame Workshop/YouTube

アーカイブエピソードおよびオリジナルのe-bookからなる教材は誰でもダウンロードが可能。

専門家が監修しており、相手を理解するための「6秒ハグ」、その日に起きた3つのよいことを唱える「Three Joyful Things」など、明日から実践できそうなアプローチが盛り沢山だ。

扱うトピックも秀逸で、相手から暴力を受けたとき、大切な人を失ったときなど、リアルなシチュエーションを題材にしたものがほとんど。子どもだけでなく、一緒に見る大人も自身のトラウマや精神不安に向き合うことができそうだ。

メンタルヘルスの伝道師となりつつあるエルモ

© elmo/X

先のチェックインやワークショップのほかにも、エルモと仲間たちによる、メンタルヘルスについてのスモールトークもXやInstagramで展開されている。

ニューヨーク市立大学の研究によると、アメリカでは成人の10人に1人、若者では5人に1人がうつ病に該当するとのこと。みんなの友達であるエルモがメンタルヘルスについて積極的に発信することは、あらゆる世代の人が「自分の心の状態に向き合うきっかけ」となり得るだろう。

日頃の発信だけでなく、無償の教材まで提供してくれるとは……エルモたちのなんと慈悲深きこと。メンタルヘルスの伝道師となりつつあるエルモ、次は私たちに何をもたらしてくれるだろう。

Top image: © Craig Barritt/Getty Images for Headspace
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