処方箋、もうスマホで完結しません? 「病院薬局行かない」が当たり前に
病院で診察後に「処方箋薬局」へ行くと、時には長い待ち時間に出くわすことがある。忙しい現代人にとって、このプロセスは少し面倒に感じることもあるだろう。しかし、もしもこの面倒から解放される方法があるとしたら?
じつはいま、薬局に行かなくても処方薬を受け取れる「処方薬配送サービス」があることをご存知だろうか。
知る人ぞ知る
「処方薬配送サービス」の実態
調剤薬局を運営する「メセナメディカル株式会社」が、3000人を対象に行った調査によると、半数近くが現在薬の処方を受けているにもかかわらず、処方薬の配送サービスを利用した経験があるのはわずか19%という結果に。いっぽうで、そもそも「配送受け取りできることを知らなかった」と回答した人は34.9%もいたそう。
サービス自体は、2020年の新型コロナウイルス感染拡大に伴って厚生労働省が規制緩和したことをきっかけに始まった。忙しい毎日を送る現代人にとって、このサービスは単なる利便性を超えたメリットをもたらしてくれそうだが、なぜ広まらないのだろうか?
同社の調査で、サービスを利用しない理由としてもっとも多く挙げられたのは「必要性を感じない」ということ。次いで、「配送料が別途かかるから」という意見も。多くの配送サービスでは、配送料はおおよそ500〜1000円といわれているが、一部のオンライン診療サービスや薬局では、配送料を無料にしているところもあるとのこと。
「Uber Eats」をはじめとしたフードデリバリーが広く普及した今、認知度さえ上がれば需要は間違いなくあるはずだ。
進化する医療システム
自分に合った処方箋スタイル
処方薬の配送サービスを利用しない理由として「薬剤師からアドバイスをもらいたいから」という回答もあったが、これも「オンライン服薬指導」というサービスがある。
オンライン服薬指導とは、その名の通りスマホやPCを通じて薬剤師から服薬指導を受けられるサービス。こちらもまだ認知度は低いが、処方薬配送と組み合わせることで、診察から薬の受け取り、服薬指導までをすべて自宅で完結させることができる。今年には「Amazonファーマシー」や「楽天ヘルスケア ヨヤクスリ」など大手企業もオンライン服薬指導のプラットフォームを立ち上げ、普及は拡大中だ。
テクノロジーの進化が、医療をより身近で便利な存在に変えつつある。今まで「病院に行くのが面倒」「待ち時間がもったいない」と感じていた人も、まずは処方薬の配送をきっかけに、未来の医療体験をいち早く体感してみてはどうだろう?
👀GenZ's Eye👀
常用薬だからこそ、処方をスマートにしたい人は多いだろう。もちろん、診察や薬剤師への相談には大切な役割がある。オンラインでもそういったサービスを気軽に受けられるのが本サービスの最大の魅力といってもいい。それに加えて、服薬状況の記録管理までできるというのだから、隙がない。