「通報を恐れて、芸術なんて表現できるものか。」
「芸術はいつも、反感を買うものさ」。
美術館に足を運んでは作品の前で裸体を披露し、一躍スペインの“お騒がせアーティスト”となっているエイドリアンさん。突飛なパフォーマンスに批判の声もだいぶ多いようだけれど、冒頭のセリフのとおり、本人は気にしていないご様子。
全裸ではあるが
“絶対に見せない”ポリシー
急に裸になって、周りから驚かれるでしょう?と聞いてみると、「拘束されたり、罰金を要求されることはよくあるよ」とサラリ。ちょっと待って、無断なの!?
よく通報されるらしけれど、なぜか今まで一度も罰金を払わずにやってきたらしい。芸術を表現しているだけなのに、金を払う必要がどこにある?とのこと。
なぜそれが許され続けているのかもよくわからないけれど、振り切りすぎてて清々しい。もはや、相槌を打つ言葉もみつからない。
ということで、説明は終わり。彼の信念をご覧いただこう。
裸にこだわっているのだから、すべてをさらけ出すのかと思えば、それはタブー。絶対に男性器を見せないことは、彼の掟のようなもの。そこに目が行き過ぎると、芸術を感じる妨げになってしまうから、らしい。
それにしても、一本たりとも生えていないスネ毛や、トゥルトゥルのお肌を見ると、「美しさ」の徹底ぶりには関心してしまう。裸には違いないのに、ここまで男臭さを感じないのも、不思議な感覚だ。
女性の「美」は、
どこまでも魅惑的。
女性の絵画の前でパフォーマンスすることが多いのは、どんなに男性が魅せようと、「女性らしさがもつ魅力には敵わない」ということを表現したいからだそう。
彼はこの芸術を通して、自身がフェミニストであることを伝え続けていたというワケ。なるほど……フェミニズムに関しても、パフォーマンスに関しても、誤解を招くことが多そうだ。
「あぁもう、この忙しい時に!」
これからも捕まらないよう、ほどほどに信念を貫いてほしいと思う。