カナダの「赤い手袋ムーブメント」は、もはやクレイジーの域。

カナダは愛国心が強い国というのは、世界的に知られていること。自国愛の世界ランキングでも、いつも上位に選ばれている。それはわかっていたけれど、実際に足を踏み入れてみると、確かにそれをすぐに感じられた。

365日そこらじゅうに立ててあるたくさんのカナダフラッグ。ぐるりと一周見渡せば、どこかしらに国旗を見つけられると思う。

とにかくカナダの象徴である「メイプルリーフ」のデザインが多い。

日の丸が大きく入った服を着ている人なんて、日本ではほとんど見かけない。だからと言って、国に愛情がないというわけではもちろんないのだけれど、やっぱりどこか恥ずかしい。観光客くらいしか、着ている人を見ることもないし。だからこそ、堂々と国旗のワッペンをつけ、胸に大きく入った<CANADA>のロゴを見ると、国を誇らしく思っていることがすごく伝わってきて、「あぁ素敵な文化だな」と素直に思う。

マクドナルドの看板だってこの通り。世界的チェーン店だとしても、センターの座は譲らない(笑)。

11月になると、そんな彼らの愛情が一層あらわになるムーブメントがはじまる。そのキーアイテムが、「レッドミトン」と呼ばれている、メープルリーフの赤い手袋だ。

赤いミトンで繋いだ
オリンピックへの想い

寒くなると、多くの人が身につけるこの手袋は、2010年のバンクーバー冬季五輪にあわせて、大手デパート「Hudson's Bay」が発売したのがはじまり。

1セットにつき、収益から約300円をカナダ代表選手とをサポートする「カナダオリンピック基金」に寄付する仕組みをつくり、たくさんの人が選手への応援を込めて買うようになった。それ以来、11月21日を「National Red Mitten Day」としていて、毎年新しいデザインのミトンが販売される日になっている。

今年のデザインは、メープルリーフの後ろに黒のラインが1本。国民の情熱と国の繋がりを表現しているそう。

販売してからまだ1週間も経っていないのに、Instagramには既にたくさんの入手写真がアップされている。

皆さん嬉しそうで、見ているだけでほっこり(笑)。

Business Wire」によると、今日まででこのレッドミトンの寄付金は3000万ドル以上。日本円にすると……なんと26億円以上!?

子ども用のサイズもあって、同じデザインの帽子も一緒に発売される。国を代表する選手とオリンピックの成功を思って、冬にはたくさんの人がメープルリーフを身に付けるというわけだ。

洋服だけにとどまらず、防寒具までカナダデザイン。冬のカナダは、街を歩くたび「あぁ、やっぱりこの国好きだなあ」と思ってしまう。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。