「双子」と「15分」の、意外な関係性。
アーティストAlma Haserさんは、双子が持つ不思議な魅力に惹きつけられた。
彼女は双子、特に一卵性双生児を一人ずつ撮影し、ジグソーパズルにして50%ずつ2パターン組み合わせる作品を発表している。目や口や鼻、輪郭まで曖昧に組まれたその様子はゆらめく自我を再現しているかのようでもある。
ところでこの作品群、実は題名が「Within 15 Minutes(15分のうちに)」。なぜ15分なのか?ヒントを出すので、ぜひ予想しつつ見てみてほしい。
01.
一卵性双生児の場合、一つの卵が二つに分かれることで二人が生まれるので、ふたりはまさに「分身」。
でも遺伝子が一緒でも、全く同じ指紋を持っていたりするわけではない。彼らは胎児でいる間に母親から個別に栄養を受け成長するので、少しずつ違って生まれてくるのだ。
02.
同じようでもあり、違っているようでもあり…パズルのピースに惑わされそう。でも同じ母親の胎内で同じ時間を過ごしている間は、彼らはお母さんも入れて「3人でひとり」だった。じゃあ彼らはいつから「別々の人」?これが題名のヒント。
03.
04.
離して、くっつけて…。つかみどころのない謎めいた雰囲気。
05.
実は「15分」は、双子が生まれる時間差の平均。一人が生まれて、平均15分のうちにもう一人が生まれてくるのだそう。ふたりきりで同じ遺伝子を共有した人物が、別々の人としてこの世に出てくるまでの間の時間なのだ。
このどこか幻想的なパズルポートレイトの双子たちも、そうして生まれてきたうちの一組。そう思うと、友人や知り合いの双子たちも、なんだか特別に見えてきそう。
Licensed material used with permission by Alma Haser