嗚呼、「カナッペ」という昭和感。

突然だが、オープンサンドはサンドイッチの一種。パンの上に具材をのせただけというご存知のアレ。普通のサンドもいいが、これはこれで味がありトッピングいかんでは驚くほどに見栄え良く、それなりに“らしく”見えるわけだ。

で、その見栄えを競うようにInstagramには、ていねいにスライスしたアボカドや2018年ブレイク予測のエディブルフラワーなんかでデコったオープンサンドが、山のようにアップされている。添えられたハッシュタグ、#ArtisanalToast(職人技のトースト)とは言い得て妙ではないか。

例えばこんなイメージ。

「カナッペ」

ところで表題の件。ひと昔前まで「カナッペ」というスタイルがあったけど、最近めっきり聞くことがなくなったように思う。むしろこう呼ぶことさえも、どこかはばかられるのはなぜだろう。

そもそもカナッペとはなんだったのか?

ちょっと調べてみれば、すぐに出てくる。パンを薄く一口大にカットしたものを、オーブンで焼いたり、油で揚げて、肉や魚、野菜やチーズをトッピングしたオードブルのひとつ。つまりは、軽食あるいはスナック感覚で前菜扱いされたオープンサンドとも言えなくもない。

ところが、この「カナッペ」というフランス語のニュアンスなのか、あるいはクラッカーにアドオンする手軽さなのか、それもと「クロスティーニ」や「ブルスケッタ」などのイタリア勢の認知度に押されてか、街に出ても家飲みのシーンでも、とかく「カナッペ」と口にすることがめっきりと減ってしまったように思うワケですよ。

まあ厳密には、焼いたパンにニンニクをすりつけてオリーブオイルをたらりとするブルスケッタや、クロスティーニとの違いもあるんでしょうが、いかんせんその特長が分かりにくい。現にTABI LABOの若いメンバー層にたずねると「人の名前?」だって。

この現代日本におけるカナッペの疎外感たるや。
取り留めのないハナシでした。

「カナッペ」


こっちがカナッペのイメージ。まあ、これはこれで。

TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。