週末だけグルメぶってみる?会員制の「食のコミュニティー」
Uber EATSをはじめとするオンラインの宅配サービスや、Amazon Goのような店舗運営を自動化する動きが、世界で急速に加速している。
一方で、そんな合理化や効率化とは逆のムーブメントも。
たとえば、東京・青山の国連大学前で、毎週末開かれているファーマーズマーケット。 スーパーで買い物するときは、生産者との関わりなんて、せいぜい「農家〇〇さんの野菜」なんて文字や顔写真を見る程度。それがファーマーズマーケットでは生産者から直接野菜を購入できるということで、食に関心が高い人たちを中心に、にぎわいを見せている。
そんなファーマーズマーケットが、昨年から「会員制のコミュニティー」を始めたのだという。
体験をとおして「食」を探求!
昨年からファーマーズマーケットが始めた「Farmer’s Market Community Club」。
会員費は、月3000円(税別)。 入会すると、毎週日曜に開かれている食事会や、農作業を手伝う体験ができるファームツアーなどに参加できる(過去の活動内容は公式HPにて)。
ところで、今までもファーマーズマーケットという場所でひとつのコミュニティが形作られていたはずだけれど、なぜあえて「コミュニティクラブ」をスタートさせたのだろうか。運営者のひとり、田中亘さんに尋ねてみた。
ー2009年からファーマーズマーケットを開催されてきて、このタイミングで「Farmer’s Market Community Club」を始められたのは何かきっかけがあったのでしょうか?
ここ数年で毎週末のファーマーズマーケットに加えて、会場の中庭を利用したイベント(Raw Tokyo、Nordic LifeStyle Market、Craft Market、Sake Flea、Coffee Festival)も増えてきていました。
また、石川県の古民家を改装したプロジェクトTAKIGAHARFARMなどが始まるなかで、自分たちのマーケットの活動はもちろん、ここに集う多様な人たちが気軽につながり、交流をし、学んでいける場の必要性を感じました。
通常のマーケットもある種一つの大きなコミュニティであるといえますが、そこからもう一歩踏み込んで、食を中心にマーケットに集う人同士が繋がり、お互いに顔見知り以上の関係になっていくことで、より一層マーケットのコミュ二ティも深まり、発展していけるのではないかと考えています。
ー農家、料理家、お客さんが一緒に食事を囲むことの意味をどのようにとらえていらっしゃいますか?
おいしい食事の前で、農家さんも料理人の方もお客さんも肩書き関係なく、テーブルを囲む場がそもそもあまりないので、まずは何か目的を持つというよりも、そうした食に携わっていたり、関心を持っている人たちが集まれる場をつくりたいと考えました。
そのうえで、食においてさまざまな情報があふれるなかで、例えばいきなり善悪の判断をするのではなく、コミュニティークラブのメンバーで食事をしながら情報交換をしたり、まずは「知る」ことからはじめていきたいと思いました。そのためには美味しく楽しく食事をすることからはじまり、実際に農家さんの畑に伺うFarmTourや、自分たちで勉強会を開いていけるようにと考えています。
最近、野菜の値段が高騰しているけど、もっと食事を数字や情報以外からも見ていけたら、日々の食事の時間はもっとおもしろくなるのかもしれない。
ふだんは仕事に追われて、食事はとにかく手早く済ましてる人も、週末だけ美食家気分を味わってみては?今後のFarmer’s Market Community Clubのイベントは、コチラをチェックしてみて。