彼が、わたしに「嘘をつく」とき。
恋しい人に傷つけられたとき、たとえば、つかれたくない嘘をつかれたとき。もしかしたら、その人は「上手に守ることができなかった」だけなのかもしれない。守りかたを、間違えてしまっただけなのかもしれない。
映画のなかで、彼女は。
人は守りたいものに嘘をつくの。
あるいは守ろうとするものに。─ 岩本瑠璃子『スイートリトルライズ』(2010)
今日も誰かが傷ついている。恋しい人を大切に思う「気持ち」はひとつしかないのに、その人を大切にする「やりかた」がたくさんあるせいで。