「恋の痛み」を知る、すべての人たちへ。
特別な恋であればあるほどに。失った時は、多くを考え、多くを感じます。そしてついには、何かをすることさえ嫌になってしまうのかもしれません。
でも、ね。
その恋を通して心の中に生まれた沢山の想いは、付き合って間もないころのツーショット写真や、記念日にもらったプレゼント、他のどんな思い出よりも、絶対になくしてはいけない宝物だと思っていて。
映画『君の名前で僕を呼んで』の中で、はじめて恋を失った17歳の青年エリオに、彼のお父さんがこんなことを言っていたんです。
人は早く立ち直ろうと自分の心を削り取り
30歳までにすり減ってしまう。
失恋のダメージってなかなかに大きいでしょう?終わり方はどうであれ、簡単に忘れられないから、人はもう二度と同じような想いをしなくてすむような、新しい恋を見つけるんだと思います。それがつまりは「心を削り取る」行為なのかな、と。
エリオのお父さんは、こう続けていました。
何も感じないこと……感情を無視することは、あまりにも惜しい。
心を削り取った末に何も感じられなくなるということが、本当に起こり得るとしたら。特別な恋によって生まれた沢山の想いは、なおのこと尊ぶべきだと思うのです。
©️Frenesy, La Cinefacture