「この星で最も重要な音楽家のひとり」を見逃してはいけない
GW直後の予定を今スグに確認すべし!超大物、エルメート・パスコアールが来日するのだ。誰かって?
あのマイルス・デイヴィスに「この星で最も重要な音楽家のひとり」と評されたなんて言われている、ブラジル音楽界の巨匠だ。
1960年代から精力的に活動を続けており、71年のマイルス作品『ライヴ・イヴル』にも参加。彼の自宅に招かれボクシングをしたこともあるとは本人談で、ジャズの帝王の顔面にパンチをくらわせたという思い出話がYouTubeで聞ける。
さて、本題。なぜ彼を見逃してはいけないのか。
楽聖と呼ばれる彼にとって、この世に存在するすべてのものは楽器だ。今彼が演奏しているのはトランペットだろうか? と思ってよく見ると、ヤカンを吹いている。オカリナだろうか? と思ってよく見ると、自分のヒゲをつま弾いている。
といっても、決して奇抜なパフォーマンスが見どころではない。視覚的な刺激に翻弄され油断していると、美しいピアノの音色にノックアウトされるに違いない。
重要なのは、彼がそこにいれば、鳥のさえずりも、豚の鳴き声も、浅草でバナナを売っているおじさんの声さえも、特別な旋律に様変わりするということ。新しい体験や発見を求めるすべての人に会って欲しいミュージシャン。
エルメートがそこにいるという事実が、音楽がそこにある証拠になるのだ。
奇才 楽聖 無形文化財 etc……
ムージカ・ウニヴェルサルの提唱者
様々な異名を持つ彼だが、一つだけ確実に言えることがある。そこにいる観客を見回すと、大人も子供も、いつの間にか無邪気に笑っている。一緒に演奏しているミュージシャンも笑っている。
彼が提唱する、ムージカ・ウニヴェルサル(ユニヴァーサルミュージック)というコンセプトが、最も適切な説明になるだろうか。演奏に参加していなくても、世界中にいる誰もが彼のグループの一員なのである。誰もがその音楽の一部になる。
体験者が口々に語るのは、自由で、楽しくて、驚きのある、フレッシュな感動への陶酔と没入だ。
無理に言葉を尽くして説明しようとすれば、どうしても小難しくならざるを得ない。だって、彼はただでさえ複雑なリズムのあるブラジルで生まれ、14歳から第一線で活躍し、ブラジリアン・ジャズ・フュージョンという一つのスタイルを確立したミュージシャンなのだから。
「思わず笑う超絶技巧」に巻き込まれる
80歳を超えてなお、現役で海外ツアーをやってのけるタフさで、2017年には2枚もオリジナルアルバムをリリースしている彼。そのエネルギーとDNAを考えれば、ライブは踊れないわけがない。そもそも、マイルス・デイヴィス御大に指名されているような音楽家を、理屈でわかろうというのが無謀です!
感動を通り越し、つい笑ってしまった経験はあるだろうか? あまりの衝撃に脳が考えることを放棄し、語彙力が失われ、ヤバイ、スゴイ、くらいしか言えなくなる極限状態。つまり、それくらいしびれる体験ができると期待できる。
したがって、百聞は一見にしかず、考えるよりも感じるべし。誰もが心の底から楽しめる超絶技巧は、目の前でなかなか味わえるものじゃないし、その場に行けば、自分自身が音楽の一部になる感覚を得られるはずだ。そのチャンスが、今ならある。
というわけで、もう一度リマインド。
GW後の予定を今スグに確認すべし!
エルメート・パスコアールの日本公演は、熊本・大阪・東京と全3箇所で行われる。
どの公演も12歳以下が無料になるので、家族で行くのもオススメ。5月12日(土)・13日(日)に開催される東京・渋谷WWW Xの公演は、先着60名限定で、自由席に座って参加することもできる。
詳細はコチラから。
最後に。このイベントを主催している「FRUE」というクルーは、音楽好きの間で語り継がれているORGANIC GROOVEというイベントを運営していた人々が参加している。これも、この機会を見逃すべきではない重要な理由のひとつなのだが、長くなるのでその話はまた別の機会に。
列島震撼!! 2017年新春の大喝采に応え、楽聖・エルメート・パスコアールが愛弟子5人と共に歓喜のアンコール来日! 2018年新緑萌える5月に熊本、大阪、東京を巡る日本ツアーを行います。80歳を超えながらにして、いまなお枯れることのない神秘の源泉を感じられる貴重な機会をお見逃しなく。
2018/5/10(木) @ 熊本やつしろハーモニーホール
2018/5/11(金) @ 大阪・梅田 シャングリラ
2018/5/12(土) @ 渋谷 WWW X
東京公演は、スタンディングエリアに加えて椅子席エリア(自由席*60席限定)も利用可能。入場順に着席できる。
※前売チケットは、https://frue.shop-pro.jp/ にて好評発売中。
※全公演、12歳以下は無料。
Scenic design : Yuriko Shimamura