水が入ったビニール袋じゃない。かと言って絵でもない
水が入ったビニール袋のように見えて、実はこれ絵なんです!……そんなスーパーリアリズム作品なら、もうお腹いっぱい。
でもここで紹介するのは、「どうせ絵なんでしょ」と思って対峙した自分をちゃんと裏切ってくれたから。
実はこれ、ガラスでできた彫刻「Water Bags」。ガラス作家、Dylan Martinezさんの手がけた作品です。
彼は、光と空間、そしてガラスの持つ光学特性が、作品を見る人の知覚にどのような影響を与えるかを意識しながら制作活動に取り組んでいる人物。大学で学んだ知識を元に、常に新しいアプローチに挑戦しているそう。
「視覚は、この世界を理解するためにもっとも大きな影響力を持っている。私はこの作品を通して、現実と錯覚について訴えかけたい。目に見える世界が必ずしも真実でないかもしれないという考え方は、私が色覚異常を持つことにも由来している。
私たちは『このように世界を見たい』という欲望を知らず知らずに抱き、それが世界の真実を覆してしまうこともある。でもそれは、人間の魅力でもある」
Licensed material used with permission by Dylan Martinez