サラダにとって重要なのは、オイルとビネガーの順番だった

質問:グリーンサラダにドレッシングを和えるとき、オリーブオイルとビネガー、どっちが先?

こんな問いかけから始まるSarah Jampelのこの記事(「Food52」より)。普段あまり考えずにドレッシングをつくっていたかもしれません。でも、彼女に言わせると、このふたつ、それぞれの性質からきちんと順番が決まっているようなんです。

知ってた?

どっちが先か問題
これが結構重要だった……

まず、あなたに質問があります。

グリーンサラダにドレッシングを揉みこむとき、オリーブオイルが先?それともビネガーが先?あるいは、そもそもこの順番がなんらかの影響を与えるなんて考えたこともなかったりして。

©James Ransom

私が勤務している小さなカフェでは、葉もの野菜にドレッシングを揉みこむのは当たり前。ハーブサラダにオリーブオイルか白ワインビネガーをかけないなんて、まずありえません。

スライスしたアボカドもオリーブオイルや醤油なしではサーヴしないし、さいの目にカットした梨には必ずレモン果汁、ビネガー、そして塩をかけて提供しています。

というのも、私が師事するシェフの哲学によれば、正しいドレッシングさえかければ、どんなサラダでもぐっとおいしくなるんだそう。ただしポイントは、かける順番にアリ、と。

プロでも揺れる
順番と黄金比

彼の教えに従えば、「オリーブオイルが先」です。その次にビネガー。じゃないとオイルが野菜にくっつかず、すべてボウルの底に流れ落ちておじゃんになってしまう、という理由から。

でも、ちょっと待って。奇抜なレシピ開発で名を馳せたMelissa Clarkは、その逆をおすすめしているじゃありませんか!まずは塩で味付け。それから塩が溶け込むようにビネガーで和える。こうすることで満遍なく味付けできるんだそう。

さらにさらに、信頼を置いているイタリアの料理本『Il cucchiaio d’argent』でも、やっぱりビネガーが先。

もう、本当のところどっちが先でも良くない?と、ここで諦めず、さらにリサーチを続けました。

私に教えてくれたシェフと同じ意見のMarcella Hazanの言い分に注目。彼女は自著『Essentials of Italian Cooking(イタリア料理の基本)』のなかで、こう強調していました。

「お酢は、アロマを漂わせるために最後に数滴垂らしましょう。ビネガーとオイルは、1対3。お酢をそれ以上入れたらダメ」。

さらに、最初ではなく最後にビネガーの理由がこちら。

ビネガーの酸味はレモンと似ていて、サラダを“調理”してくれます。そのため、葉もの野菜を守るためにオイルは先にかけるべきなんです」、と。

だけど、ここが厄介なところ。なんでも葉っぱがしなしなになってしまったり、変色してしまう原因は、ビネガーのせいではないということ。

ポイントは葉もの野菜にできる“傷”

フードサイエンティストJ. Kenji López-Altは、食メディア「Serious Eats」の記事にて、ビネガーよりもオイルを先にかけたほうが、葉もの野菜が早くしなびてしまうことを発見しました。もっと言えば、ビネガーをかけた野菜は、お水ですすいだときと同じくらい生き生きとしていたそうです。

では、なぜなのか?

葉もの野菜の細胞の隙間からオイルを浸透させてしまうため、これが葉っぱを傷つけてしまっているのだとか。ならば、やっぱりビネガーを先にかけるのが正解ってことで結論。味付けをしても萎びないわけですから。

それにしても、ドレッシングってシンプルに見えて意外と奥が深い。オイルとビネガーのどちらを先に使うべきか、科学的ではありませんが、いくつか実験してみました。

実験その1:
オリーブオイルと醤油

©Food52

まずはスライスしたアボカド。

やってみて思ったことは、先に醤油をしてからオリーブオイルをたらしたほうが、醤油が染み込むように思えました。上の写真の右側がそれ。一方、オイルをたらしてから醤油をすると、醤油が流れてしまう印象(写真左側)。

どちらの方法でも、オリーブオイルと醤油は流れ落ちて水たまりをつくってしまいましたが、味にも見た目にも、そこまで大きな違いはありませんでした。

実験その2:
オリーブオイルと赤ワインビネガー

©Food52

今度はルッコラを2人分用意しました。ひとつはオリーブオイルを先にかけて、次に赤ワインビネガーをたらしました。もうひとつは赤ワインビネガーが先(分量は一緒です)。

すると、今度は味にも違いが生まれました。ビネガーをあとにかけたルッコラのほうが、酸味が強く感じたのです。やさしく和えただけなのに。ある一定の箇所だけビネガーが極度に強い印象。一方で、ビネガーを先にかけたルッコラは、満遍なく染み込んでいたように思いました。

©Food52

実験はまだまだ続きます。

オリーブオイルをあとからかけたルッコラのほうが、大きなオイルの水たまりを描いているのがわかりますか(写真右)?もしかしたら、ビネガーがかかった葉っぱから流れ落ちてしまったのかも、と私は想像します。

結局、正しい順序はどっち?

そもそも、オイルとビネガーは性質があまりに違う調味料同士なので、そもそも均等にはかからないということを心得ておく必要があります。要するに、どちらかはお皿に流れ落ちてしまう、ということ。

そのため、しっかりオイルを揉み込ませたい(Marcellaの言葉を借りるなら「野菜の表面がガラスみたく仕上がるくらい」)ならば、オイルを先にかけましょう。ただ、先にオイルすれば葉っぱが萎びてしまうことはお忘れなく。だから、すぐに食すこと。これしかない!

かたやビネガーで味付けしたい場合、先にビネガーを染み込ませましょう。こうすることで、オイルをかける前に葉っぱの細胞の隙間からしっかりと染み込んでくれるから。

一箇所に集中せずに満遍なく2つの調味料を染み込ませながらも、水溜りの量を減らすには、はちみつやマヨネーズ、卵黄、ガーリック、それからマスタードなど、乳化剤の役割を果たす調味料を加えるといいでしょう。

もちろん、他のドレッシングのレシピを参考にするのもよし。ここにもおすすめのドレッシングがまとめられているので、参考にしてみては?

Written bySarah Jampel
Top image: © iStock.com/Preto_perola
Licensed material used with permission by Food52
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