「平成」という時代に育まれたヴィンテージ日本酒

2018年、流行語大賞に選ばれたのはカーリング女子日本代表のフレーズ「そだねー」でした。一方でノミネートすら挙がらなかった「平成最後」というワード。来年4月30日まで続くことを思えば当然かもしれない。でも、「平成最後の〇〇」をメディアで見ない日はありませんでした。

昭和生まれの自分にとって、正直この「平成最後」の盛り上がりは横目で見る程度。それでも、あと数日もすれば年と時代を2つ分またぐと思うと、いくらか特別な気持ちにもなるから不思議。

そんな年の瀬に満を持して登場したのが『平成VINTAGE』という名の日本酒です。醸されたのは30年前の平成元年。

新酒にはない
琥珀色の甘美な香り

「新酒」という言葉があるように、一般的に日本酒は秋から冬にかけて仕込まれた、新ものを重宝します。それがここ数年、日本のみならず世界的にファンが急増しているのが熟成古酒。長期熟成させることで、新酒にはないヴィンテージ感のある洗練された味わいが楽しめるから。

古ければ古いほど良しとされるものでもないけれど、中には100万円を超えるプレミアが付く50年近い熟成酒なんてものも存在します。

熟成酒の世界では醸造年の異なるものをブレンドして、味を整えた状態で出荷されるものが多いそうですが、『平成VINTAGE』は30年前に醸したもののみを瓶詰めした、混じりっけのない純米吟醸酒。

なんでも、日本では珍しい硬水で仕込み、山廃造りにこだわり、自然界から乳酸菌を取り込んで酒母をつくったり……。と、日本酒に精通していない自分でも手間と時間をかけて造られたもの、というくらいの想像はつく。さらにそれを醸したのが、現代の名工と謳われる南部杜氏(菊池幸雄さん)と聞けば、きっとこれだけでもファンからすればプレミアレベルなんでしょう。

ただ、そんな前提や背景を抜きにしても『平成VINTAGE』と向かい合ってみたい。味云々はさておき、特番を観たりイベントに参加する以上に、30年という歳月を自分なりに振り返るいい機会を与えてくれそうだから。

同じようなことを考えている酒好きはきっと多いんだと思います。それを証明するようにMakuakeでスタートしたプロジェクトも早々に目標額に到達。1本15,000円(税込)を高いと感じるか安いと思うかは人それぞれですが、栓を開けるとしたら、やっぱりQW真っ只中の4月末日かな。

熟成酒に重ね合せる
自分史30年

最後に紹介するのは、出資を決めた支援者たちからの「応援コメント」の一部。みな、この熟成酒にそれぞれ歩んできた30年を重ね合わせているようです。

 

「平成元年生まれのものです。節目の年に素敵なお酒に出会えました♪」

「30年の歴史を思い返しながら家族で飲みたいと思います」

「……社会人3年目の冬からあと数年で定年を迎える自分のこの30年分が飲めるなんて、ちょっぴり感傷に浸りながら、でも未知のお酒にワクワクしながら封を開けるんだろうなと思うと、もう今から待ち遠しいです。……」

「平成最後に相応しい過ごし方ができそうです!」

Top image: © Makuake
TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。