「ランチタイムは2時間」。それが豪州エグゼクテイブの流儀!?
ここは、スーツ姿の横を半裸のマッチョが歩くビジネス街!?
それがオーストラリア・シドニーを旅行したときに見かけた光景です。日本で行ったら丸の内や有楽町、銀座にあたるはずの金融、文化の中心地なここでは、それが普通だったんです。
昼こそランニングする時間!
平日の昼間にスーツ姿のビジネススタイルをした人々の横だろうと、汗だくで上半身裸になってシックスパックを披露している。本人はもちろん周囲だってとくに気にしない。そんな光景に驚いて現地ガイドに質問したところ、シドニーのエグゼクティブたちは「ランチタイムを2時間とる」という選択をして、食事の後にランニング&シャワータイムをとったりしているんですって。
確かに、オフィスビルがひしめく中心部から、有名なオペラハウスまで行くのだってランニングなら程よい距離。ひと周りしてみれば、ハーバーブリッジを美しく目にすることだってできる。昼時の気分転換にはもってこいです。
すぐ近くのロイヤルボタニックガーデン(王立植物園)の海沿いを走れば、シドニー観光のメインであるオペラハウスとハーバーブリッジを両方を眺めながらのランニングコースになります。その証か、平日昼の13時でも、観光客たちの合間を次々とランナーたちが走り抜けていくのを目にします。
エクササイズが好きってだけじゃない文化
シドニーでは、早朝からオシャレな専用のウェアを着て、ランニングやサイクリングをして会社に向かう人もよく見かけます。もちろん朝だけでなく、会社帰りにヨガやピラティスといった選択をする人もいます。で、先に紹介したみたいにランチタイムの時間を多めにとって、仕事の合間にジムで汗を流したりする人もいるんです。
そんな嗜好にあわせてか、会社のフロアや各ビルには、シャワールームやロッカールームが備わっていることが多く、デスクにつく前にはシャワーを浴びて着替えも可能に。会社までの道のりにはサイクリング専用道路もあったり、歩行者と自転車の衝突を避けるための、ガードマンもいたりと、サイクリストにも優しい都市のつくり。
ランチに食べて・走ってをするのもOKなインフラが揃う社会なんですね。根底には家族とだったり自分の時間を大切にするという考えがあるそうです。朝1時間早く始動して、その分をヘルスケアに。そして、定時には仕事を終えて、家族と過ごしたり仲間とカフェでビール(このあたりがカフェ文化の盛んなお国柄)といった時間として費やすわけ。
すぐにでも試せる「働き方改革」ってこと?
オフピーク通勤って、日本でもしばらく提唱され続けてますが、“すし詰め状態の満員電車”とかは相変わらず。シドニー人たちだって出勤に電車を使う人が多いのだけど、日本のそんな様子は「あり得ない!」とオーストラリア在住経験のある友人は話します。
だったら時間をもっと早くズラして、ゆったり座って通勤。その分はランチタイムを2時間とってランニングすれば、ひと汗かいて気持ちのリセットにもなる。「働き方改革」とかよく聞きますけど、こういうスタイルこそが有効になりそう。なんだか試したくなりました。