ネクタイのストライプに「右下がり」と「右上がり」がある理由
ネクタイの柄ときいて、多くの人が真っ先の思い浮かべるであろう“斜めに走るストライプ”のデザイン。
「連隊の~」を意味する「レジメンタル(resimental)」と呼ばれるこのデザインは、もとはイギリスの陸軍連隊に由来する柄であり、色の組み合わせによって所属部隊を判別するための目印とされていました。
ちなみにこのレジメンタルタイ、正面から見てストライプが右上がりものが英国式、右下がりが米国式(※1)といわれているのですが、ストライプの向きが異なる理由ははっきりとはわかっていません。
「アメリカの老舗紳士服ブランドであるブルックス ブラザーズが独自性を出すために英国式と反対にした」や「米国のテーラーが鏡に映った姿を参考にして仕立てたため柄が反転してしまった」などといったいくつかの説が存在しますが、どれも決定的な証拠は見つかっていないようです。
また、多くの文字の横棒が右上がりで書かれることからもわかる通り、人間は直感的に右上がりのストライプを美しいと感じる傾向をもつとされているのですが、右下がりの米国式が格好わるいかというと決してそうではなく、じつは「ベストを着たときに目がいく結び目のストライプが右上がりになるように計算されている」という説も......。
トラッドファッションが英国で生まれたスタイルであることを考えると、本来であればスーツには右上がりストライプが施された英国式のネクタイを合わせるのが基本。でも、ファッションは時代とともに変化するものであり、手軽に楽しめる自己表現の手段でもあります。
形式やルールにとらわれず、着ていて楽しいと感じる“あなただけのオシャレ”を探してみてはどうですか?
※上記、諸説あり。
※1/「レジメンタル」ではなく「レップストライプ」とも呼ばれる。
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