史上最年少のクリケット日本代表「高橋和雅」インタビュー

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──今、一日のスケジュールは?

 

平日は朝6時に起きてランニング。7時30分ごろに家を出て16時まで学校。家に帰って宿題、練習の準備をして18時から21時まで練習ですね。曜日によっては僕が通ってたジュニアクラブの子どもたちに教えたりもしてます。

 

──指導をすることもあるんですか。

 

僕自身も小学生のときに上の人から教えてもらったことでクリケットの魅力に気づけたのもありますし。やってもらったことは自分もできるだけ繋いでいきたい。日本はクリケットの認知度が低く、知識を得たくても得られない子どももいると思うので、そういう子たちに少しでも伝えられたらいいかなと思ってやっています。

 

──やる側ではなく「観る」側としても情報が少ないのですが、クリケットのどういうところを観たら面白い?

 

シンプルに面白いのは、野球でいうホームラン。一気に6点も入るからめちゃくちゃ盛り上がるんですよ。あと、打ったボールがグラウンドに一回でもバウンドしたら4点。守備側がうまくキャッチするところも見てほしいし……。細かいルール抜きでも、それらを知っておくだけで楽しめると思いますよ。

 

──どれくらい盛り上がるのか一度見てみたい。でも、多くの人にとっては機会がないのが実情。今回のU-19ワールドカップの出場が大きな一歩になるはずです。

 

僕たちが日本で初めてワールドカップに出る。出場権を獲得したその瞬間で大きく変わったとは思うんですが、ここからが大事。日本のクリケットがどれだけ通用するか、通用しないかがわかるその意味はすごく大きいです。活躍すればそれだけ話題にもなると思うので。

今後の僕たちのクリケット人生、日本のクリケット界に大きな影響を与える大会です。

 

──来年の1月。舞台は南アフリカ。

 

香港とフィリピンは試合で行ったことがあるのですが、そんなに遠いところに行くのは初めてです(笑)。

 

──やっぱり海外のスタジアムは全然違う?

 

まったく違いますね。認知度も高いですし、観客の数も多い。

 

──まさに世界が注目する。目標は?

 

レベルの差はあると思っています。でも、強豪国を相手に僕たちの力をどれだけ発揮できるかはすごく楽しみですし、今後の日本クリケット界にとっても大事な一歩なので、もちろん勝ちたいです。

 

──いつか、サッカーや野球みたいな人気スポーツになると嬉しいですね。

 

スタンドが埋まって盛り上がったら、本当に嬉しいです。「昔はこうじゃなかったのに」っていうときが来てほしいですね。サポートしてくれてる人たちも含めてみんなでいい影響を与えられたらと思いますし、将来そう思えるようにがんばっていきたいなと思います。

「今クリケット界にきている波を、絶対に止めちゃいけない」

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──今後、選手としてどうなっていきたい?

 

先のことはまだ全然わからないです。とにかく、ワールドカップのことしか頭にない。まずはそこだけを考えて、とにかく練習をがんばりたい。

出場を決めてから、小学校のときの恩師にも報告しに行ったんです。そうしたら教室の壁に僕たちが写った新聞を貼ってくれていて。そういう人たちのためにも、とにかく勝ちたいと思います。

 

──日本でクリケットが大きな存在になれるかどうかが懸かっている。

 

僕はサッカー界でいうカズさん(三浦知良)みたいな存在になりたい。僕自身もクリケットに出会ったことで人として成長できました。もっと多くの人にクリケットを知ってもらいたいし、せめてこの佐野市だけでも全員が知ってるくらいの存在になれたらいいなって。そうすれば自然と全国に広がっていくと思うので、そういう火付け役になれればと。

 

──若くして“クリケットの未来”を背負ってるのは重荷にならない?

 

全然、前向きに捉えてますよ。今クリケット界にはすごくいい波がきてる。絶対にここで止めちゃだめ。なんとかこの状態をキープしたいですし、そのために自分が少しでも魅力を発信できることは誇りに思います。

とにかく、次のワールドカップ。チャレンジャーなので、みんなで一丸となって全力でぶつかりたいです。

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TABI LABO この世界は、もっと広いはずだ。