ミルウォーキーの合奏団が「犯罪現場」で演奏する理由
アメリカのウィスコンシン州ミルウォーキー。ビールの醸造で有名な街だ。そして、アメリカ国内では治安が“よくないエリアもある”街としても知られている。実際、FBIが発表する人口あたりの犯罪率ワースト30の常連でもある。
そんなミルウォーキーで活動する「The Black String Triage Ensemble」は、所属メンバーが11歳〜75歳という合奏団だ。ただし、彼らが注目される理由はメンバーの年齢差じゃない。演奏会の会場が、毎回犯罪現場だからだ。
同都市のテレビ局WISN-TVが、創設メンバーのDabin Hallmonに行ったインタビューによるとThe Black String Triage Ensembleが演奏するのは、犯罪現場近くに暮らす人、あるいはその通りを利用している人たちのためだという。彼らが奏でる音楽は荒廃したそのスペースと周辺にいる人々を癒やしているというわけだ。
「被害者の家族にとっては、必ずしもそうでは(癒やし)ないけどね」
The Black String Triage EnsembleのWEBサイトによると、この合奏団は寄付で成り立っているようだ。残念ながら彼らの音楽を必要だと感じている人たちがたくさんいるということか。
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