地上411m!「史上もっとも美しい」と讃えられた犯罪
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
『マン・オン・ワイヤー』の日
2015年公開のロバート・ゼメキス監督作『ザ・ウォーク』をご存知ですか?
ワールドトレードセンターの今はなき「ツインタワー」間を1本のワイヤーロープでつなぎ、命綱なして渡った人物を描いた、“実話”に基づくこの映画。
無謀な挑戦は、フランスの大道芸人フィリップ・プティによって1974年の今日(映画では8月6日)、ニューヨーク中が固唾を飲んで見守るなか決行されたのです。
当時、世界一の高さを誇るツインタワーでの綱渡りは、もちろん無許可の違法行為。捕まるのは時間の問題。いや、命を落とず可能性だってある。
ところが、彼はそれをやってのけるわけですよ。
タワー屋上で待ち構える警察を嘲笑うかのように、細いロープの上を行ったり来たり、地上411mの空中闊歩。結果、45分の間に2棟のあいだを8往復してみせたのち、お縄となったプティでした。
犯罪には変わりない。けれど、のちに「史上最も美しい犯罪芸術」と謳われることとなった大道芸人の夢の実現でプティは一躍、時の人に。
多少ネタバレが過ぎましたが、『ザ・ウォーク』はNetflixで視聴可能。警備員の目をかいくぐり、いかにしてタワーにロープをつないだかも見どころです。
ちなみに『マン・オン・ワイヤー』の日は、プティ自身が著したノンフィクションのタイトルより拝借しました。
© ソニー・ピクチャーズ 映画 / YouTube
Top image: © Vincent Riehl/NY Daily News Archive via Getty Images