工事現場のかわいい「ガード」は、復興支援にも役立っていた

街中の工事現場などで見かける、通行人や一般車両の侵入を防ぐガード。数年前から、ゾウやサルなど、動物型のものを見かけることが増えていませんか?

工事現場と「カワイイ」は不似合いなような気もしますが、心和むのも事実。このキュートなガードなどの販売会社である「仙台銘板」東京営業所の大谷氏に話を伺いました。

誕生のきっかけは
旭山動物園だった

「今から12年ほど前、北海道の旭山動物園が東京の上野動物園の入場者数を抜いて全国1位になったんです。でも、旭川の街の中に動物がいるわけではないし、駅や空港にも動物園のムードがない。つまり、動物園に行くまで、動物園を思わせるものが何もなかったんです。ならば、工事現場のイメージアップも兼ねて、現場で使われる“単管バリケード”を動物型にしてみよう、という案が持ち上がりました」

 

こうして生まれたのが、サルをモチーフにした「サルガード」なのだそうです。

ご当地ゆかりの動物や
人気のアニメキャラまで

するとこれが、現場からも一般の人からも大変好評で、その約2年後には「カエルガード」が登場。北海道のみで使われていたアニマルガードシリーズはどんどん全国に広まっていきました。

現場での一般車ユーザーからの不満の声が少なくなったり、工事現場で写真を撮る親子のエピソードが報告されたりと、実際に現場の雰囲気を和らげることにも貢献しているのだそう。

さらに、動物型にすることによって遠くからの視認性をアップするという、安全面のメリットもあるのだとか。

そんなアニマルガードは、沖縄のシーサー型などのご当地限定モノや、冒頭で触れたキティちゃん型のほか、人気漫画『ワンピース』のキャラクターであるチョッパー型のものも加わり、今では約25種類にまで増えているそうです。

実はストラップになって
復興支援にも貢献

仙台に本社を構える「仙台銘板」は、工事現場で使われる保安用品の会社として全国1位のシェアを誇る企業。仙台発の会社として、全国的な人気を誇る「アニマルガード」をストラップにして販売し、東日本大震災の復興支援にも貢献しています。

「『アニマルガードが自宅にほしい』という声をいただくことが何度かあったんです。でも家に現物を置くと邪魔になってしまうので、ストラップを作ることになりました。ちょうどその頃に東日本大震災が起きたこともあり、アニマルガード9種類のストラップの売上げの全額を被災地に送ることになったんです。宮城県や東北の皆様には、本当にお世話になっていますから」

街行く人たちを和ませている動物たちは、震災の被災者を応援する存在にもなっているんですね! かわいい「アニマルガード」たちは、これからも一層みんなに癒やしを与えてくれそうですね。

Licensed material used with permission by 株式会社仙台銘板
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