壊れためがねに、合掌。上野で開かれる「第7回めがね供養会」とは?
「めがねを供養する会」が開かれる。
なんて聞くと、半分ジョークのように思う人もいるだろう。
でも、めがねって、一人一人の眼に合わせて作られ、長い間苦楽を共にする相棒ともいえる存在だ。だから、買い替えにより不要になったものや、破損したもの、あるいは大切な故人のものをそのまま処分するには、ちょっと忍びないなあと思ったりする。
「めがねへの感謝」を伝える機会、それが「めがね供養会」なのだ。
開催日の10月1日は、2006年に制定された「めがねの日」に合わせたもの。上野・不忍池・辯天堂境内で開かれるのは、この境内にめがね業界の先人たちの手で作られた、業界物故者(業界の発展に貢献した故人)を供養する「めがね之碑」が建立されているためだ。なんと、開催は今年で7回目なのだという。
この供養会で預かっためがねは、主催の東京都の中小零細眼鏡店が所属する「東京眼鏡販売店協同組合」が、辯天堂で供養後、再利用可能・不可能なものに分別。再利用可能なものは、洗浄など必要な処置を経て海外へ寄贈。不可能なものは、福井県鯖江市の眼鏡修理メーカーへ送られ、修理用の材料として活かされるのだそう。
長く愛用されてきた物には、神さまや魂が宿る。日本には昔から「付喪神(つくもがみ)」という考え方があり、物を大切にする文化があった。いつも一緒に出かけ、たくさんの世界を見せてくれた相棒に、ちょっと丁寧なお別れを考えてみてもいいと思う。
さようなら、めがね。ありがとね。
『第7回めがね供養会(東京眼鏡販売店協同組合 )』
【特設ホームページ】 https://meganekuyoue.jimdofree.com
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