元祖健康フード「オートミール」をもっと詳しく!
目次
ここ数年、健康志向の人たちを中心に人気が高まる「オートミール」。栄養価がとても高く、ダイエットや美容の観点からも注目されています。
いまや、牛乳で炊いて食べるトラッドなスタイルだけでなく、主食を置き換えたり、アレンジ料理にオートミールを使うなど、食べ方も楽しみ方も人ぞれぞれ。
そこで、この記事ではオートミールの優れた栄養価や豊富な種類、そして美味しく食べられる方法などを詰め込んでみました。
オートミールは、
日本人が最初に出会った「シリアル」だ!
そもそも「オートミールってなんだっけ?」という人のため、簡単に説明しますと、オートミールとは、オーツ麦(燕麦)を脱穀して食べやすく加工したもののこと。英語のオート麦「oats」と食事「meal」を掛け合わせた造語なんです。
アメリカやイギリスを中心に欧米では、オートミールをお粥にしたり、パンケーキやミューズリーに加えるなど、朝食の定番として親しまれています。
日本にオートミールが伝わったのは明治時代。オーツ麦の形が燕に似ていることから、古くは燕麦(えんばく)という名で呼ばれ、農耕馬の肥料として与えていた歴史があります。
ダイエットにも◎
オートミールの栄養価がすごい!
「全粒穀物」のひとつにあたるオートミールは、胚芽などの糠(ぬか)が未精製の状態で加工されているため、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが非常に豊富。精白した穀物よりはるかに栄養価に勝ります。白米よりも玄米の方が栄養価が高いというのと同じ理由ですね。ゆえに、近年は健康食品としても注目されています。
ちなみに、オートミールはその玄米よりもさらに高い栄養価を誇る食品。たとえば、食物繊維は玄米の3.5倍、カルシウムは5倍。日本人に不足しがちなカルシウムや鉄分といったミネラルが豊富なほか、糖質の代謝に欠かせないビタミンB1、抗酸化作用のビタミンEもたっぷりの、まさしくスーパーフード。ダイエットや美容・健康維持にも欠かせない食品といっても過言ではありません。
オートミールは1種類だけじゃない!
一口にオートミールといっても、その種類はじつに様々。同じオーツ麦でも加工の仕方によって大きく5つに分類され、それぞれに特徴があり、料理の仕方や食べ方に違いがあります。
①オートグローツ(Whole Oat Groats)
オーツ麦の原麦からもみ殻を取り除いただけで熱処理された全粒のオートミールが「オートグローツ」です。すべてのオートミール製品は、まずオーツ麦からオートグローツへと加工され、そこから食べやすいようさらに加工されていきます。
オートグローツはとても硬く、調理前に浸水が必要。おもにパンなどに混ぜて使用されます。
②スティールカットオーツ(Steel Cut Oats)
脱穀したオーツ麦を2〜3個に分割したものが「スティールカットオーツ」。表面積を広げることで水や熱が内部に浸透しやすく、調理時間を短縮できるのが特徴です。オートミールのなかで最も栄養価が高く、ミネラルや食物繊維が豊富にとれます。
③ロールドオーツ(Rolled Oats)
脱穀したオーツ麦を蒸してからローラーで平たく延ばしたものが「ロールドオーツ」。短時間煮込むだけ食べられるため、「クイックオーツ」とも呼ばれています。
日本で販売されているオートミールの多くがこのタイプ。水を加えて電子レンジで1〜2分でできるため、食べたい時にさっと食べられることが特徴です。
④インスタントオーツ(Instant Rolled Oats)
ロールドオーツを一度加熱したあと乾燥させたものが「インスタントオーツ」です。すでに調理されているため、家庭での調理時間が1分ほどに短縮でき、オートミールのなかで最もクイックに調理が可能という利点があります。
このまま牛乳をかけてシリアルのように食べることもできるほか、とろりとした食感は離乳食にも適しています。
⑤オーツブラン(Oat Bran)
「オーツブラン」は、もみ殻を取り除いたあと、オーツ麦の外皮にあたる部分だけを集めたもの。お米でいうところの「米ぬか」にあたる部分です。こちらも食物繊維、ミネラルともに非常に豊富。
そのまま食べるのには向いておらず、クッキーやパンなどの生地に混ぜることで効果的に栄養価を摂取できます。
オートミールはこう食べる!
一般的なオートミールの食し方と言えば、水やミルクでふやかしお粥のようにして食べるスタイル。イギリスではミルクで炊いた「ポリッジ」が朝食の定番メニューとして有名です。
また、クイックオーツやインスタントオーツであれば、シリアルのようにそのまま食べてもOK。「ミルクが苦手……」と言う人は、ヨーグルトをかけてフルーツとともに食べてみてはいかがでしょう?
このほか、オートミールはパンケーキやマフィン、クッキー生地に加えてお菓子をつくるのにも向いています。たんぱく質や食物繊維が豊富なので、ダイエット中のおやつにもオススメです。
ここ数年、オートミールをお米に混ぜたり、主食をオートミールに置き換えるなどして食事取り入れる人も増えており、雑炊、リゾット、チャーハン、お好み焼きなど、アレンジ料理も多種多彩。
朝食だけでなく、アイデア次第でお腹を満たす料理にオートミールが活用できますよ。
おすすめ「オートミール」レシピ3選
オートミールのチャーハン
お米は一切使わずにオートミールでつくるチャーハンです。ゴハンでつくるよりもパラパラに仕上がりますよ。
<材料>2名分
・オートミール:200g
・水:200ml
・長ネギ:1/2本
・ピーマン:1個
・卵:2個
・焼き豚:お好みで
・サラダ油:適量
・塩:少々
・コショウ:少々
・醤油:少々
・ごま油:少々
<作り方>
耐熱ボウルにオートミールと水を入れて電子レンジ(600W)で2分ほど温める。その間に長ネギ、ピーマン、焼き豚をみじん切りに。卵をといておく。
フライパンに油をひいて中火で焼き豚を炒める。焼き色がついたら長ネギ、ピーマンを入れしんなりするまで炒め塩、コショウで味を整える。次にオートミールを加え、食材がパラパラになるまで炒める。パラパラになってきたところで卵を投入。
まんべんなく具材が混ざったところで、鍋肌から適量醤油とごま油をたらして香り付け。器に盛り付けて完成です。
オートミールのお好み焼き
小麦粉の代わりにオートミールを使ってつくるお好み焼き。ヘルシーですがボリューム感や腹持ちはバッチリです。ポイントは小麦粉生地よりもじっくり焼くこと。早くひっくり返し過ぎてしまうと形が崩れてしまうので、注意が必要です。
<材料>2名分
・オートミール:50g
・水:200ml
・卵:1個
・キャベツ:20gほど
・山芋:20gほど
・豚肉:お好みで
・サラダ油:適量
・ソース:お好みで
・マヨネーズ:お好みで
・青のり:お好みで
・かつお節:お好みで
<作り方>
耐熱ボウルにオートミールと水を入れて電子レンジ(600W)で3分温める。その間にキャベツを適当な大きさにカット、山芋をすりおろしておく。温めたボウルのなかにキャベツ、山芋、卵を入れてかき混ぜ生地をつくる。
熱したフライパンに油をひいて生地を入れ、中火で4分ほど焼く。豚肉を上に乗せ、ひっくり返して裏面も4分焼く。お皿に移してソース、マヨネーズ、青のり、かつお節をかけてどうぞ。
オートミールのグラノーラ
ナッツやドライフルーツなど、自分の好みに合わせてつくるのが楽しい自家製グラノーラです。ハチミツの代わりにメープルシロップを入れてもおいしいですよ。
<材料>2名分
・オートミール:100g
・アーモンドスライス:20g
・くるみ:20g
・かぼちゃの種:20g
・ラズベリー(ドライフルーツ):お好みで
・マンゴー(ドライフルーツ):お好みで
・はちみつ:大さじ2
・ココナッツオイル:大さじ2
<作り方>
オーブンを160度に余熱しているあいだに、ボウルにオートミールとナッツ類を入れてかるく混ぜておく。はちみつとココナッツオイルを湯煎し、ボウルに入れてざっくり混ぜ合わせる。
バットやプレートにクッキングシートをしき、ボウルの中身を敷きつめてオーブンで20分ローストする。くっつき過ぎないように、たまにかき混ぜる。オーブンから取り出し荒熱を取ったら完成。