2021年、「ないものはない」という贅沢に触れる旅
都会のように便利でもなければ、モノも豊富じゃない。けれど、その一方で自然や郷土の恵みは潤沢で、今あるものの良さを上手に活かす━━。
「ないものはない」という自虐的にも、それが価値ともとれるキャッチコピーで、地方創生を実現させた島根県隠岐諸島の海士町に、2021年7月、新たな複合型宿泊施設が誕生する。
©Entô
「隠岐世界ユネスコジオパーク」に属する海士町には、宿泊施設はたった1軒。日帰りが難しい離島観光のため、重要となるのは宿泊施設の充実だった。
そこで、インバウンドを含めた今後の需要に対応できるよう、「泊まれる拠点施設」として、ジオパークの島前拠点とその絶景を享受できる宿泊機能を複合させたジオパーク × ホテル「Entô(エントウ)」の建設が始まった。
ちなみに、現在「マリンポートホテル海士」をリニューアルするかたちで進められている工事は、大型ホテルでは国内初となる全面CLT工法(Cross Laminated Timber)を採用。建材としての性能の高さに加え、SDGsでも推奨される最小限の工程での施工が実現できると注目される新工法だ。
©Entô
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都市型ラグジュアリーとは一線を画す、地球にぽつんと浮かぶ隠岐の大自然を最高級の価値として「なにもない」という贅沢に触れる。いまの時代の旅のスタイルにもマッチする。
閉塞感を強いられ続けた2020年も、もうあと数日。新しい年は、「なにもない」豊かさに出会うところから、旅をはじめてみてはいかがだろう。
Top image: © Entô