ひまわりのようなデザインの「カーボンポジティブハウス」

カーボンニュートラルやカーボンゼロなど、脱炭素社会への関心が急速に高まるなかで、排出量以上の二酸化炭素を吸収するカーボンポジティブな建物「Sunflower House(ひまわりの家)」が設計された。

その舞台は、熱波がより頻繁かつ極端になりつつある、なだらかな農地とひまわりの黄色い畑で有名なイタリアのウンブリア地方

「Bringing nature back to our cities(わたしたちの街に自然を取り戻す)」をコンセプトに活動する建築家・高田浩一氏が手掛けたこの家には、見た目以外にもひまわり要素がたくさん。

さて、どこにひまわりらしさが隠されているのだろうか?

© koichitakadaarchitects/Instagram

まずは、太陽光パネルの花びらが付いた円形の屋根にご注目。

建物の中心(茎)を中心に回転するパネルが、太陽の向きに合わせて傾くことで、1日を通して日射量を最大化

これにより、固定型パネルなどの静的なシステムよりも、40%も多くのエネルギーを発電・蓄電することができる。

また、屋根の周囲が下にある窓をカバーし、換気を助けることで、建物を直射日光熱波から守って快適に過ごさせてくれる効果も。この屋根伝いに集めた雨水は茎を通って貯蔵され、トイレなどの生活用水に使用することも可能だ。

© koichitakada_official/Instagram
© koichitakadaarchitects/Instagram

さらに、その配置にもひまわりらしさが。

ひまわり畑に見られるように、過密を回避し、日光への露出を最大化するジグザグ形式を採用している。

高田氏は「designboom」の取材に「デザイナーや建築家は、美的な意味で自然から着想を得ることについて話しますが、それよりもはるかに深く取り組む必要があります。それは、建物を自然らしく見せることだけではなく、私たちが住む家、働き、遊ぶ地域、そしてこの地球に、前向きな環境変化をもたらすことです」と語った。

環境を尊重しつつ、そこに住む人間の幸福を高める力を持つ、エコな建築。住宅の常識が大きく変わる日も、そう遠くないかもしれない。

© koichitakadaarchitects/Instagram
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