オランダ発「あとくされないフローティングハウス」離婚率の高さは、家の在り方まで変えようとしている

水上に浮かぶ住宅(フローティングハウス)は、建築デザインにおいて今や目新しさは無くなっている。が、オランダのデザイン事務所が発表した、このコンセプチュアルハウスはひと味違う。

そのコンセプトは、居住者の「心」が離れるとき、「家」もまた文字通り二つに離れることができるというもの。

「離婚」を前提に設計された
二分割できるハウス

「Prenuptial Housing」と名付けられた、このフローティングハウス。意訳すれば“婚前ハウス”といったところか。

「離婚や別れ際にどれだけ多くの人たちが、財産分与でつらい経験をしているかと思うとゾッとしてきます。住宅ローンや税金問題、子供や両親の問題だってあるんだし」。

右肩上がりで増加傾向にあるオランダの離婚率を前に、アムステルダム在住のクリエイターOmar Kbiri氏は、「Huffington Post」にこう説明。カップル解消の際に“あと腐れなく”別れられる家のアイデアを、地元のデザインスタジオ「Studio OBA」に持ち込んだ。

そして、アムステルダムの運河に適したフローティングハウスができあがった。土台の上に二つの同じサイズのユニットが、ドッキングする形で構成されている。まるで「テトリス」のように各ユニットをはめ込んでいくと、ひとつの家が完成する仕組み。浮力を助ける設計は、カーボンファイバーと木材を用いて軽量性と耐久性を実現させている。

「均等に折半」の背景にある
オランダの離婚率の高さ

「法律婚」へのこだわりが低いオランダでは、パックスやユニオン・リーブルのように、いわゆる事実婚のカップル(同性も含む)が多い。

とくに1998年より「登録パートナー制度」が導入され、既婚者と同等の法的権利が認められるようになってからは、その数が飛躍的に伸びているという。つまり、一概に離婚率だけでは測れない、カップルの“別れ”がそこにはあるようだ。

「財産分与」もきっちり折半。そこにシビアになることも、こうした背景を考えてみればごく自然のことなのかもしれない。それにしたって、別れることを前提にした家に暮らすって……。いつか、アムステルダムの運河で分離した家の住人同士がまた出会い、カップルとなってドッキングする。できれば、そんな明るい未来の方を想像したくなる。

Licensed material used with permission by Omar Kbiri
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