窓ガラスの代用品!?木材を「透明」にする実験が進行中
建築材や燃料としてなど、人々の生活に欠かすことのできない木材。最近では大気中の二酸化炭素を吸収する特徴などから、再生可能資源としてのポテンシャルに注目が集まっている。
そんな木材を透明にできる可能性についての新たな研究報告が学術雑誌『Science Advances』に掲載された。
そもそも木材は、リグニンとセルロースの組み合わせによって茶色く見える。木材を透明にするため、以前の研究ではリグニンを除去し、合成樹脂に置き換える方法が採られたのだが、リグニン除去には環境に有害な化学物質を使用せざるを得ず、また、除去することで、木材の特性が失われるというデメリットがあったらしい。
このたび発表されたのは、一般に紙を漂白するのに利用される水素で木材を透明にする方法。そうすることで木材に存在する発色団が変化し、リグニンが光を吸収しても木材が茶色く見えなくなるという仕組みなのだとか。
木材を透明にすることで、今までガラスやプラスチックにしか頼ることのできなかったものにも木材を使うことができるように。エコという側面はもちろん、木材の方が髙い断熱効果を期待できるとのこと。
日々の暮らしを一変させる可能性を秘めた透明な木材。今後の研究に期待したい。
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