「中銀カプセルタワービル」の再生プロジェクトが始動!
世界で初めて実用化された東京・銀座にあるカプセル型集合住宅「中銀カプセルタワービル」。
惜しまれながらも2022年3月以降の解体が予定されている同ビルのカプセルを再生するプロジェクトが始動。
現在、クラウドファンディング・プラットフォーム「MOTION GALLERY」にてその支援金を募集中だ。
©中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
中銀カプセルタワービルといえば、建築家・黒川紀章氏の設計による、高度経済成長期に国内で展開されていたメタボリズム建築の代表作。
メタボリズム建築とは“社会や人口の変化に合わせて有機的に成長する建物”のことを差し、このコンセプトを次世代に継承すべく今回のプロジェクトは計画された。
©中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
再生したカプセルは主に2つの方法で展開予定。
まずひとつは、美術館や博物館への寄贈。現在、こちらも黒川紀章設計の「埼玉県立近代美術館」に竣工当時のモデルルームカプセルが展示されているが、同様に国内外のほかの場所にも展示したいという。
もうひとつは、“泊まれるカプセル”として全国に設置するというもの。商業施設や宿泊施設などと打ち合わせを進めているが、さらなる協業先を開拓したいとのこと。
©中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
©中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
©中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト
また、書籍『中銀カプセルタワーの記録(仮)』の制作も進行中。オーナーや住人らとともにすでに140カプセル中50以上のカプセルを撮影を終えており、平行して複数大学の建築系研究室に協力を仰ぎ、カプセルの実測調査にも取り組んでいるという。
詳しくはぜひMOTION GALLERYのプロジェクトページからチェックを。
すでに目標金額は達成しているが、プロジェクトは8月31日まで実施。
より多くの支援金が集まって、一時代を確立したメタボリズム建築の魅力が日本全国に、そして世界に、あらためて伝わっていきますように。
Top image: © 中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト