イタリアが国をあげて保護するスイーツの正体、それは......
何気ない一日に思えるような日が、世界のどこかでは特別な記念日だったり、大切な一日だったりするものです。
それを知ることが、もしかしたら何かの役に立つかもしれない。何かを始めるきっかけを与えてくれるかもしれない……。
アナタの何気ない今日という一日に、新しい意味や価値を与えてくれる。そんな世界のどこかの「今日」を探訪してみませんか?
ジェラートの日
1953年に公開された不朽の名作『ローマの休日』。
某国の王女・アンと新聞記者であるジョーの波乱に満ちたロマンティックな一日を描いた本作には、その後、イタリア・ローマの、そして色恋模様を描く際のアイコンとして描かれ続ける印象的な場所や物がいくつも登場します。
「真実の口」に「トレビの泉」、「コロッセオ」「ベスパ」......そして、忘れちゃいけない「ジェラート」。
今日、8月27日は「日本ジェラート協会」が定める「ジェラートの日」。先述の『ローマの休日』がアメリカで公開された日に起因します。
ちなみに、話はちょっと脇道に逸れますが、日本ではじめて本作が公開されたのは1954年4月の東京......ではなく、意外にも長崎・佐世保なのだとか。『ローマの休日』でアンを演じたのは、ご存知オードリー・ヘプバーンですが、当時はまだ新人。アメリカ国内ならまだしも、日本ではまだ無名の俳優を起用した作品が、はたして受け入れられるのか......。そんな背景から、まずは米軍基地のある街でテスト的に公開したのではないかとのこと。
休話閑題。
さて、ジェラートといえば「TABI LABO」で、以前、こんな記事を公開しました。
記事の内容を簡単に説明すると、アイスは「オーバーラン」と呼ばれる空気の含有量によって硬さや舌触りにそれぞれの特徴が表れるのですが、近年、イタリアでは必要以上に空気を含んだジェラート“もどき”の販売が横行。規定の空気含有量(30%)を超えるものを取り締まりの対象にしようという提案が議会で揉まれているというものです。
一説によると、“乳と蜜”という表現でその存在が「旧約聖書」にも登場するとされるジェラート。
その長い歴史と伝統から、含まれる空気の量が決められていても不思議ではありませんが、かつては屋台で販売されていたこのスイーツの“日本における記念日”が、1969年に第一作が公開された露天商・寅さんが主人公の『男はつらいよ』の記念日でもあることに不思議な何かを感じたり......。