ベトナム発アート作品!1000年後の未来へ向けた手紙

プラスチックの発明が現代にもたらした利便性は計り知れないが、残念ながらその功罪も大きい。

1つの捨てられたプラスチックバッグが、すべて分解されるまでに最大で1000年以上かかるとも言われている。そんなある意味で、おぞましいプラスチックの性質を逆手にとって、あるアート作品が作られている。

ベトナム・サイゴンを拠点にするデザイン集団「Ki Saigon」が手掛ける「Letters to the future」は、プラスチックを利用した手紙を作成することで、1000年後の人類へ手紙を送るというプロジェクト。

4ヶ月の準備期間で、22ヵ国から327通の手紙が集められ、すべてプラスチックのレターブックへと変換されたようだ。

©2021 Ki Saigon
©2021 Ki Saigon

作品に使われている特製のプラスチック製ペーパーは、捨てられたプラスチック製品をアイロンを用いて薄いシートに仕上げたもの。

世界各国から送られてきた“未来へ向けた手紙”は、スキャナーで読み取り、シルクスクリーンの版画板を作成。そして、手書きの味を残したまま、プラスチックの手紙へと転写されているようだ。

同アート作品が作り上げられるまでのメイキング映像も合わせて公開されている。

© Ki Saigon/Vimeo

特設サイトでも書かれているように、未来へ向けたポジティブなメッセージと現代に向けられたネガティブなメッセージを含んだ二面性のあるこの作品。

果たして、1000年後の人類がこの手紙を読むとき、世界はどうなっているのだろうか。また、プラスチックはまだ存在しているのだろうか?

ちなみに、この作品の後援には、日本人夫妻がベトナム・ホーチミンで立ち上げた人気ピザ店「Pizza 4P’s」の文字も。

未来へとつなぐプロジェクトに日本人が関わっているのは、なんだかとても誇らしい!

©2021 Ki Saigon
©2021 Ki Saigon
Top image: © 2021 Ki Saigon
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