「温泉」による発電が「カーボンニュートラル実現」のカギ

今から29年後の2050年は、現代の社会課題の一つである「カーボンニュートラル実現」の達成を掲げている年だ。

それに向けて世の中が一歩ずつ前進しているなかで、「RE100対応・温泉旅館地熱発電プロジェクト」という興味深いプロジェクトが始まった。

このプロジェクトでは、熊本県の温泉旅館「旅館山翠」と、あらゆる地域の経済・資源・絆のサステナブル実現を目指して地熱発電事業を展開する「ふるさと熱電株式会社」がタッグを組み、「山翠パワー」という地熱発電所を設立。

©中央電力株式会社

そこで「旅館山翠」が持つ温泉源の地熱を発電に使おうというのだ。

地熱発電はまだまだ活用が進んでいない発電方法の一つ。実際、FIT認定受けて稼働中の地熱発電所の数は全国で77件、実績をみるとCO2フリーの再生可能エネルギー総数の約4.5万分の1だそう。

風力や太陽光などの再生可能エネルギーを用いた発電方法は、われわれの生活にも身近なものになりつつある。しかし、言われてみれば……。日本が世界に誇る温泉に、発電のヒントが隠されていたのだ。

日本の源泉総数は2020年3月末の時点で27969ヵ所もあり、本プロジェクトが着目した温泉による地熱発電は、まさに“眠れるエネルギー資源”の開拓というわけ。

日本の文化がサステイナブルな生活様式を推し進めるための大きな足掛かりとなる。そう考えると、「温泉」の可能性は無限大にみえてくる。

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